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うづきはじめ

Author:うづきはじめ
基本は小説書き。たまに落書きしたりします。
サイトの方向性的にロリエロ中心ですが、このブログに登場する人物はすべて18歳以上です。

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うたかたの天使たち 外伝・美耶子 リハーサル編(2)

        2

「だいぶほぐれてきたわね。じゃあ、演技指導の続きよ」
 桃山園は言い、美耶子を抱き寄せる。
 美耶子は唯々諾々とうなずいた。
「今度は向かい合わせよ」
 桃山園と抱き合う形になる。
 さっきまでは絶対に拒否していた姿勢だが、今の美耶子にとってはもう桃山園の匂いは気にならない。むしろ、獣じみた匂いが心地よくさえある。
「ほら、演技を忘れないで。キスするわよ」
 キスシーンだ。こんなのあったっけ……
 と思ううちに桃山園に唇を奪われる。太い舌が侵入してくる。
 生臭い、たばこ臭い、いやらしい味と匂い。
 この味はおぼえている。この男とキスするのは初めてではない。
 嫌悪感につながるはずの記憶が、なぜか美耶子のなかでエロい体験に変換される。
 ぬろんとした舌で口腔をなでまわされ、唾液が流しこまれる。臭い荒い息に、ぽてっとした唇の感触。すべてがイヤらしい。
「ん……んんんん……んーっ!」
「んはあ、あいかわらず、エッチなキスするガキだこと」
 唇を離して嗤いをもらす桃山園。
「さあ、演技指導は続いているのよ。ここで小道具を使うわよ」
 桃山園は言い、ローターを取り出す。それも二個。
「おしりを突きだして――」
「はい……ひゃっ、はあっ」
 肛門とヴァギナにそれぞれひとつずつ、ローターを押し込まれる。
 子供サイズなんてものがこの手の製品にあるとは思えないが、それらは美耶子の穴にぴったりだった。
「スイッチ、オンよぉ」
 むーん、という音とともに、美耶子の敏感な隘路が刺激される。
「うにゃっ!?」
 声をあげてのけぞる美耶子。
「そうそう、いい反応よぉ。視聴率を取るには、視聴者が喜ぶリアクションができないとね」
 言いつつ、美耶子の顔をなめ回す。桃山園の唾液にべとべとにされる美耶子。
「これやだあ……取ってえ」
 おしりをふりふりする美耶子。もちろん桃山園は許さず、さらに奥に押し込むとスイッチを最強にセットする。
「おぅうううううううんっ、ふ、るえてるっ!」
「ほら、美耶子、もっと感じるの。カメラに一番いい顔を見せなさい」
 命じつつ、自分は美耶子の薄い胸に顔をおしつける。
 あつぼったい唇で乳首をはさみ、吸い立てる。
「ふふん、前よりちょっと膨らんできたんじゃない? やっぱり成長期なのね」
 美耶子は快感の脈動のなかでぼんやりと考えていた。
 そういえば、桃山園にこんなことをされるのは三回目だ。
 会う度に、いやらしいことをされている。
 キスをされ、おっぱいを責められ、アソコをイタズラされた。
 ペニスをしゃぶらされ、膣に挿入される寸前までいった。いや、もしかしたら先っぽくらいは入っていたかもしれない。
 それでも、美耶子はそれを性交だとは思っていなかった。いつでも拒める、逆転できるという自信があった。
 だが、今は――
 乳首を舌でころがされ、指でつままれるたび、ビリビリと電気が走るようだ。
 膣とアヌスに詰められたローターの振動が脳を溶かしていく。
 これは芝居だ、自分に言い聞かせているうちに、美耶子の身体は桃山園の愛撫に反応するようになっていた。
 勝手に腰が動くくらいに。
「さ、しゃぶるのよ」
 桃山園がペニスを出す。黒光りする亀頭。
「お風呂シーンといったらフェラチオは常識よね? まさかできないなんてことはないわよねぇ」
 もちろん、美耶子にはできる。ただ、この男を相手にそれをするのに抵抗がまったくないわけではない。しかし、これも演技なのだ。
 美耶子は浴槽にもぐり――実際はソファの上だから、お湯にもぐるわけではないのだが――桃山園の股間に顔を埋めた。
 シャワーを浴びていない中年男の性器は、ものすごい匂いがした。濃い。
 それでも、今の桃山園は亀垣が演じている美耶子の兄で、そのオチンチンをしゃぶることは、美耶子にとっての「夢」だったのだ。
「――と脚本を書きかえたのよ、だから、しゃぶりなさい」
 桃山園が赤ペンで書き込みの入ったシナリオを示す。その場で、どんどん脚本は変更されていくのだ。
 美耶子は、桃山園のペニスにうやうやしく口づけをし、手をそえて愛撫を始めた。


 美耶子が小さい口をけんめいにひろげて、自分のペニスをしゃぶっているのを満足げに見下ろしつつ、桃山園は美耶子のヒップをわしづかみ、ぐいっと左右に広げた。
 美耶子の尻の肉など、大人の手ではひとつかみだ。ぐいっと広げた部分に肛門と膣口があらわれ、ひくついている部分がカメラに収められる。
 ピンク色のローターが入口にめりこんで、ブルブル震えているところさえ、捉えられている。
「これはすごいな……」
 窪塚が感じ入ったようにつぶやく。
「まさか美耶子くんにこういう才能があったとは」
「あらっ、窪塚プロデューサーじゃないの? この子をこんなになるまで仕込んだのは?」
 桃山園は言いつつ、ローターを美耶子の中からふたつとも引き抜く。
「くひゃっ」
 悲鳴をあげた美耶子の腰がぴくんぴくんとはねて、軽くイッたことを示す。
 ぽかっとあいた尻穴、そして菱形になるまで左右に開帳させられた膣口。
 その部分を窪塚は凝視していた。
「わたしではない――だが、わたしは、美耶子くんのこういう姿を見たかったのかもしれないな。初めて会ったときから――」
「あら意外。じゃあ、やっぱりあの付き人の小僧の方なのかしら」
 指を美耶子の身体の中に打ち込みながら、桃山園は首をかしげる。
「ほら、舌がとまっているわよ、ちゃんとしゃぶるのよ」
「ふぁい……」
 美耶子がペロペロクチュクチュを再開する。桃山園の亀頭を口にふくんで、唾液でいっぱいの口中で愛撫を続ける。
「あんた、こういうの上手よねえ。いまの小学校ってこういうことも教えてるの? ゆとり教育って偉大よね」
 言いつつ、桃山園はさらにシナリオに赤ペンを走らせる。


「さ、このシーンはこんなもんね。次はロデオマシンのシーンよ。あんたってば、全然こらえ性ないから、今日は見てられなかったわ」
「え、でもマシンが」
 この部屋にはない。
「ばっかねえ、どうしてあんたに舌を使わせたのか、まだわかんないの? あたしがロデオマシンになってあげようっていうんじゃない。ここにまたがるのよ」
 桃山園は自分の股間を指さす。そこは美耶子が口と指で勃起に導いたばかりのペニスがゆらりゆらり動いていた。
「でも、そんな……それじゃ、監督さんとホントにエッチしちゃう……」
 最後のためらいで美耶子がつぶやく。今までのもたいがいアウトだとは思うが、しかし、ギリギリ演技指導の形はとっていた。
「何をいまさらって感じだけど、まあ小学生じゃしょうがないわよね。理解できなくても」
 桃山園がペニスをしごきたてながら笑う。
「さっき、あんた契約書にサインしたでしょ」
「うん……でも……」
 美耶子の表情に不安がまざる。
「あれはね、あたしが書き直した脚本の通りにあんたが演じるって契約なのよ。契約を交わした以上はやってもらうわよ」
「でっ、でも、そんな説明」
「したわよね、窪塚プロデューサー」
 同意を求めるように顔をむける。
 窪塚の表情にも苦渋の色が浮かんでいた。
「美耶子くん。今回の番組にはわれわれの運命がかかっているんだ。これで視聴率が取れなければ、われわれのキャリアも終わりだ。きみに賭けているんだよ」
「え、でも、おじさま、こんなのって放送できるんですか?」
 子供の裸くらいどうってことはない、という理屈はわかるが、あまりエッチすぎるのもまずいだろう。桃山園の新シナリオは余裕でアウトのはずだ。
「いま、またジュニアアイドルのブームが来つつあるんだ。今度はTバックなんてもんじゃない。Tフロントやヌードだって当たり前なんだよ」
 窪塚が言う。一時期、美耶子くらいの子供アイドルにきわどい水着を着せたDVDがブームになったことがあるが、一度は摘発されて姿を消したそういったものが、ここに来てまた勢いを盛り返しているというのだ。しかも、さらにエスカレートして。
「今や世界中がロリコンブームだ。アイドルの低年齢化はとどまるところを知らない。日本でも政府が重要な輸出産業としてジュニアアイドルのDVDを再評価しているんだ」
「なんかおじさま、ウソくさいんですけど」
「いや、事実だ。実際にブームは循環しているんだよ。20年前も、現在のようなロリコンブームはあったんだ。それが規制され、またいつしか蘇り……というリフレインを続けているんだ。そして、いま、次のうねりが来ているのも確かなんだ」
 美耶子には反論しようがない。彼女の知る世界はたかだかこの10年たらずの期間にすぎないからだ。
「視聴者の欲望は、無垢で可愛い女の子を汚すことだ。それによって、苦しい日常を忘れることができる。過去をみても、大ブームになったドラマの多くはヒロインがいじめられている。視聴者はスケープゴートを求めているんだ。でも、ただ、それだけじゃない。どんなに汚されても失われない気高さ、愛らしさ、清潔さ、それがないとダメなんだ。そして、美耶子くん、きみにはそれがある!」
「おじさま……」
 窪塚の声の力強さに、そうなんだ、と思ってしまう美耶子はまだまだ幼い。
「そうよぉ、だから、あたしはあんたを使って、究極のドラマを作ることにしたのよ。まだ業界の誰もやったことのない手法でね」
 桃山園が自信たっぷりに言い放つ。
「テレビ初、小学生の生セックス。もちろん、そのまま放送したら逮捕されちゃうけどね。うまくやってみせるわ。そしたら、あなた、世界で初めてよ。歴史に残る作品のヒロインになれちゃうのよ?」
「う……」
 よくわからないが、美耶子は迷った。もちろん、桃山園とエッチするのはいやだ。でも、窪塚がこの作品に賭けている気持ちを踏みにじりたくない。それに、過去の体験から、桃山園といやらしいことをすることについての心理的なハードルは下がっている。
 そして、桃山園はとどめの一言を放つ。
「契約は絶対よ。違反したら、莫大な違約金が発生するわ。あんたんちに払えるかしらねぇ?」
「えっ」
「たぶん、家屋敷を売り払っても足りないと思うわよ? なにしろテレビドラマには莫大なお金がかかっているんだから、ヒロインが明日の放送に穴をあけたりなんかしたら、ね」
 美耶子は、窪塚を見る。窪塚はその通り、と言うようにうなずいてみせる。
 望みがどんどん断たれていく。美耶子は最後の望みにすがった。
「遊一は? 遊一がダメと言ったら、できない」
「ふふっ、あの小僧? 今頃なにしてるのかしらね?」
 言いつつ桃山園はリモコンのスイッチを操作する。機材のモニターの一部が光を帯びて、映像を映し出す。
 そこには――
 二人の女と一人の男が裸でからみあっている。
「ゆういち……?」
 天井に仕込まれたカメラらしい。カメラは何カ所かにあるらしく、パッパッと移り変わっていくが、そこに映っているのはたしかに小鳥遊一だった。相手の女はたしか共演者の――
「あらら、お楽しみ中ね。どうする? 呼びに行く?」
 美耶子黙って映像を見つめていた。だらしない顔をして、女の一人にフェラチオされている。導かれるままにもう一人の女の胸に顔をうずめ、乳首をむさぼりはじめる。
 酒に酔っているのかそれとも別の何かに酩酊しているのか、たるみきった顔だった。
「もう、いいです」
 美耶子は低い声で言った。
 たしかにわかったことがある。美耶子は、自分の力で、家族を守らなければならないということだ。
「どうすれば、いいんですか? 監督」


「自分から入れてみなさいな……」
 桃山園の屹立したペニスの上にそろそろと腰を落としていく美耶子。
「目を閉じてちゃうまくいきっこないわ」
「でも……」
 直視したくない。大きくなった桃山園の黒光りする陰茎はあまりにおぞましい。自ら、なめしゃぶったとはいえ、いざ自分の中に迎え入れようとなると、躊躇してしまう。
「くっ……ふぅ」
 おしりを上げ下げする。亀頭がワレメをこする。でも、入口に一瞬引っかかるだけで、挿入にはいたらない。
「おほほ、この入りそうで入らない感覚、なつかしいわね」
 そうだ。過去、こうして、入れる寸前まではいったのだ。膣口を亀頭で嬲られ、軽く気をやったことさえある。
「宇多方美耶子ちゃん、あんたのおまんこにチンポをぶち込む日をずっと待ってたのよ。あんたのおかげであたしは二度も業界追放の憂き目にあったんだからね」
 そのために職をうしない、半ばホームレスに近い境遇まで落ちた。
「それは監督さん自身のせいじゃ……」
「はあ? なにいってんのあんた。あたしはいまロデオマシンなのよ?」
 桃山園は美耶子の尻をつかみ、揉みたおす。同時に下からペニスで美耶子のワレメをこすりたてる。
「あっ! あ! あんっ!」
 クリトリスを刺激されてあえぐ美耶子。
「素股もいいけど、やっぱ、おまんこをえぐらない、ヤってる気にならないのよね」
「あ」
 桃山園が自分のペニスの先端で美耶子の入口をつつく。
「ほら、位置はココ。あとは自分でやるのよ?」
「ああ……はい……」
「せりふも忘れちゃだめよ? リハーサルだけど、ちゃんと映像は撮ってあるんだからね?」
「くひっ……は……はい」
 美耶子徐々におしりを落として、自分の胎内に中年男の生ペニスを受け入れていく。
「美耶子のおまんこに……おちんぽ、入ってくの……ぅううっ」
「そうよ。入っていってるのよ。くそ生意気なガキのおまんこに、あたしのチンポがずぶずぶと……ああ、あったかいわあ、美耶子のおまんこ! 今度こそ、しっかり味わわせてもらうわよ……ッ」
 美耶子の膣に桃山園の陰茎が三分の一ほど埋まっている。
「き……きついよお。もう入らない……」
「だめよ、こんなんじゃ、動いたらすぐ抜けちゃうし。もっとがんばる、がんばる!」
「ああ……ぅ」
 ちいさなヒップをうねらせながら、美耶子は桃山園のペニスをなんとかくわえ込もうとしている。
「小学生のまんこ、キツキツですごいわぁ。こんなに小さな穴なのに、中はぬるぬるなのもオドロキよね」
「ああ……あ……もう、無理。これ以上は入らないよぉ」
 脂汗を額ににじませながら美耶子が訴える。
「だめよぉ、ちゃんとシナリオどおり、子宮までぶっさしてくれないと」
「でも……でも……んひぃぃ!」
 桃山園が下から突き上げると美耶子の身体がそのまま持ち上がる。
 交接している部分だけで小柄な少女の身体が支えられている。
「ひっ……ひぅううう」
 大人ペニスがもぐり込んでくるのを、体重を上に逃がしてやりすごそうとする。だが、桃山園はそれをゆるさず、美耶子の尻肉をつかんで引きつける。
 ズブ……ッ!
「あうっ! あああっ! 奥……ッ!」
「おほっ! 先っぽが子宮に届くわ。十歳の子宮口に亀頭をぶつけるって、あまり体験できないことよね」
 美耶子の膣を完全征服して桃山園が笑う。
「うううう……っ! くるし……」
「ロデオマシーンなのよ、これ。これしきのことで音をあげてどうすんの」
「あああっ、で、でもぉ!」
「おしりを振りなさい! 視聴者が見てるのよ? あんたがセックスしてるとこ!」
 カメラが美耶子と桃山園の結合部を映している。
「いっとくけど、リハーサルだけど、この映像、スタッフみんなで見てるのよ。キャストもね」
「ええっ!?」
「あたりまえでしょ? 明日は、コレを生放送でやるんだから。放送事故にならないよう、みんな練習してるのよ」
「な、生放送でも、監督さんとエッチするの?」
「当然よ。あと、亀垣ともしてもらうわ。うれしいでしょ?」
「……やだぁっ」
 美耶子は桃山園にしがみつく。自分から厚ぼったい唇に吸いついてゆく。舌をからめ、唾液をまぜる。桃山園は美耶子の乳首をひねりつつ、腰をゆらし続ける。
 カメラが美耶子の顔をアップでねらう。
「ああああ! と、撮られてるぅ!」
 美耶子は興奮の極みで腰を前後に動かす。
「おほほ、どう? あたしの演技指導は?」
 下から突き上げる桃山園。たるんだ二重顎が喜悦にふるえる。
「きもち、いいのっ、監督さんのおちんちん、中でこすれて、あたしっ!」
「あの、大学生……っ、小鳥とかいったかしら……っ、それと比べて……どおっ!?」
 さらに激しく中をつつき回しながら桃山園が答えを強いる。
「そっ、そんなの……っ、い、いえないよっ」
 桃山園に突き上げられながら、美耶子はいやいやする。
「あっらあ、じゃあ、もおやめちゃおっかなあ」
 腰の動きをとめる桃山園に、美耶子はしがみついた。
「だ、だめっ、監督さん、や、やめちゃやだぁ」
 子供ヒップを切なく上下させながら、快楽をおねだりだ。
「じゃあ、言うのよ、カメラを見て」
 寄ってくるカメラのレンズに美耶子の顔が映りこむ。
 性的興奮に身をゆだねた女子児童がそこにはいる。
「さ、このチンポ、すき?」
 ぐいいいいっ
「あっ、あっ、ああっ、おっおくっ! すきっ! 奥をつつかれるの、好きぃ!」
「美耶子の子宮、こじあけてるのよ? どう?」
「あっ、そ、それっ! おか、おかしくなるよぅ」
 桃山園の胸に顔をうずめて、熱い息を吐く美耶子。
「ほらぁ、早く言わないと――あの大学生とあたし、どっちのエッチがうまいかしら?」
「か、監督さん……のほう!」
「へえ、そうなの? どんなふうに?」
「どんなって……ああっ、ああっ、それ! そこ、ぐりぐりするとこぉ!」
 遊一はなんだかんだいって美耶子との行為で加減をしている。けっして美耶子が痛がることはしない。意地悪はしても無茶はしない。美耶子の身体を気遣ってくれる。だが、この小太りの中年男は容赦がない。
 一番奥を強引にえぐりながら、美耶子の尻の肉をつかんでは左右に大きく広げる。
「いやぁ! 裂けるよお!」
「美耶子のおまんこが広がりきってるとこ、撮らなきゃでしょ? おしりの穴も視聴者のみなさんに見てもらわないと」
「ああーっ! 映ってる、映ってるよぉ!」
 部屋の中のモニター機材に、美耶子の穴が大写しになっている。
「明日はこれがお茶の間に生放送されるのよ? どう?」
「みんなに見られちゃうの?」
 広げられながら、突き上げられながら、なぶられながら、美耶子はとろんとした目をカメラに向ける。
「そんなの恥ずかしいよぉ……」
 言いつつ、おしりをひくんひくんさせる。
「いいぞ、美耶子くん、最高の表情だ! これはいけるぞ!」
 窪塚が拳を握って、興奮を隠さない。
「桃山園くん、でかしたぞ! きみはいま、女優を生み出したのだ! きみの姿は見えんが――美耶子くんのこの部分は――なんと美しい」
 顔を近づけ、美耶子の性器を覗きこむ。
「ああっ! おじさまが見てるぅ」
「見せてくれ、美耶子くん。きみがいくところを!」
「は、はい……っ」
 美耶子は自分から腰を動かした、膣で桃山園のペニスをしごき立ててみせる。
「ひぁ! ほぁああ!」
 桃山園が奇声をあげる。
「ちょっ、そんなに締めたら、で、出ちゃう」
 子供のちいさなヒップが元気よく上下し、熱い肉の隘路に中年男の竿を飲み込んでいる。
 じゅっぷ、ぶじゅっぷ、湿った擦過音が響く。
 性器同士が結びついている会わせ目から、白くとどろった体液がこぼれだす。
「いいぞ、本気汁が出てきた――」
 窪塚がズボンのジッパーをおろしながら言った。

       つづく

うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと! 3rd(2)

2018/10/08 【男優のおしごと! 
       4

 とうとう、おれも審査に加わらなくてはならなくなった。桃山園やスタッフだけでは足りないのだ。ペニスの数に対して、候補者の数が多すぎるのだ。
 審査は単純。自己PRで脱いで子役志望であることを明らかにした少女の膣にペニスを突っ込む。
 入れてみて、具合がよければ残す。入らなかったり、具合がいまいちなら落とす。泣き出す子は論外だ。
 桃山園の言ったとおり、女児の子役は男優とカラめてナンボだ。だいたい8歳くらいから、早い子は6歳くらいから、膣挿入ありの仕事が主になる。
 だから、子役志望の少女たちも心得ていて、なんとかおれたちをイかそうと懸命に腰を振る。
 審査員を射精まで導けば合格の可能性が増す、そう思っているのだろう。幼い性器の奥まで使って、おれを楽しませようとしてくる。
 その様子はネット配信され、投票数がカウントされていく。
 そういう意味ではオーディションに参加した少女のほとんどが、ただ性器を奥の奥まで見られ、セックスしているところを撮影され、その上で落選するのだ。
 割に合わないと思うのだが、子役になりたい少女が多すぎるのだ。
 このオーディションでも、応募は三歳からあったという。さすがに、ホンバン撮影前提なので、六歳から十様での女児が集められている。
 おれが審査した六歳の子は――さすがに挿入はためらわれたが、すでに子役として調教済みだった。ちび膣で男の射精をうながすテクニックを会得していた。おれも思わずイカされかけた。もう子役デビュー寸前らしいから、今回はだめでも、今に撮影現場で出会うことになるだろう。ひなちゃんといったか――
 素人の少女たちの膣を次々と味わう。もちろんナマだ。子役の才能はナマでハメてみないとわからない。
 だが、やはり、美耶子の妹たる逸材はなかなかいないものだ。
 目鼻立ちで美耶子より整っている子ならいくらでもいる。だが、美耶子に匹敵する名器はいない。
 いるはずがない。
 
 ――そう、おもっていた。

「エントリーナンバー九十九番、須々木香里奈、です」
 最後の応募者がそういった。
 ステージの上では、あまりに数が多すぎて気づけなかったが――香里奈がいた。
 香里奈もオーディションに参加していたのだ。
 ほかの参加者と同じく、マイクロビキニを着用している。
 モニターを確認する。
 コメントで画面が埋め尽くされている。
『ラスト、超美少女、キター!』
『一位! 一位! みゆりちゃん抜いた!』
『マジで? こんなかわいい子のおまんこ、見れちゃうの?』
『録画開始! REC●』
 反応がすごい。
 親としては誇らしい反面、これから起こることに危惧の念を抱かざるを得ない。
 本気なのか、香里奈。子役にそうまでしてなりたいのか――
「美耶子ちゃんみたいな女優さんになりたいです。よろしくおねがいします!」
 ぺこっと頭をさげる。
 審査員席に戻っていた桃山園が大きくうなずく。
「きたわね、本命ちゃん」
 舌なめずりしている。心なしか、おれを横目で見た気がする。
「じゃあ、香里奈ちゃん、美耶子のようになりたいなら、わかってるわね?」
「は……はい」
 香里奈は顔を真っ赤にしながら、おずおずとマイクロビキニのブラをずらす。
 ちっちゃなおっぱいを露出させる。薄い色の乳首は緊張のためかピンと立っている。
 おお、と観客からも声が漏れる。
「なかなか吸いごたえのありそうな乳首ねえ、でも、みせてほしいのはそこじゃないわ」
「は……はい」
 香里奈は観念したようにうなずくと、ボトムに手をかける。
 もちろん、父親としてはとめるべきだ。血のつながりはないとしても、親子として過ごした年月に偽りはない。
 だが――
 おれは止めなかった。
 香里奈は確かに自分の意思で、女優になろうとしていた。
 おれは役者として売れないまま、二十年近くを過ごした。それでも役者をやめられなかったのは、芝居の魅力にとりつかれていたからだ。
 あのライトを浴びて、カメラが回り出す瞬間の緊張感を味わったら――
 多くの人々と、瞬間を重ねて作品を生み出す感動を知ってしまったら、もう――
 それ以外の仕事はできなくなる。
 香里奈も同じ道に入ろうとしているのだとしたら――
 おれには止めることはできない。
 香里奈は観客とカメラの前で、ボトムを下ろしきった。
 もうすぐ十歳になろうかという一桁ワレメがあらわになる。
 二次性徴をまだ感じさせない幼さだ。だが――
 観客は、視聴者は、気づいていた。
 もちろん、桃山園も。
「香里奈ちゃん、あんた、もう濡らしてるじゃない。他の子たちの審査を見て、興奮しちゃった?」
 香里奈は耳まであかくした。
 ワレメから、愛液が垂れていた。太股がてかるくらいに。
 考えてみれば当然だ。自分の番が来るまでのあいだ、目の前で同世代の少女が全裸をさらし、さらには審査員とセックスするところを目の当たりにし続けたのだから。
「さ、見せなさい、香里奈ちゃん。子役志望なら、自分の武器をカメラに、観客に、見せつけるのよ」
「は……はい」
 香里奈はステージ上のスツールに腰をおろし、そろそろと股を広げていく。カメラマンがローアングルからそれを狙う。取材をしているマスコミ各社のカメラも追随する。
 濡れそぼったJS4の性器を、全世界に配信するために――
「み、みてくださ……い、香里奈のおまんこ――香里奈の処女膜も――」
 自分の娘の処女膜をカメラ越しとはいえ、どアップで見たことのある父親はどれくらいいるのだろうか。
 しかも、それがリアルタイムに何百万人、あるいはそれ以上の数の男たちに向けて配信されているというシチュエーションなのだ。
 それでも――香里奈の膜はきれいだった。血の色をした繊細な膜だ。少女の、純潔のあかし。
 たとえ、それが愛液でヌルヌルになっていたとしても。
「いいじゃない、いいわよぉ……完璧に処女ねえ。でも、そんな子供まんこで、ちゃんとお芝居できるのかしら?」
 下半身まるだしの桃山園がペニスを誇示して、挑発するように言う。
「大人チンポを満足させられないと、子役にはなれないのよぉ?」
 香里奈は桃山園のペニスから目をそらした。やはり、恐怖感はあるのだろう。
「ふふん……美耶子ぉ!」
 桃山園はステージ横で休憩していた美耶子を呼び寄せる。
「なあにぃ、ももちー。いま忙しいんだけど」
 スマホ片手に美耶子がぶーたれながら、それでもやってくる。ゲームでもしていたのか。
「あんた推薦の香里奈ちゃんに、子役のお手本を見せてあげなさいよ」
「えー、今日はあたし、司会だけでしょ? まあ、香里奈ちゃんのためなら、しかたないっか」
 美耶子は言うなり、ミニスカートをまくった。
 はいてない。
 観客も、視聴者もどっとどよめく。
「子役の心得いち! いつでもノーパンの覚悟!」
 美耶子はカメラに向かってVサインだ。
「子役の心得に! カントクさんのオチンチンは大切に――」
 桃山園のチンポにむしゃぶりつく。
「たいせつに扱ってぇ、立たせちゃいます」
 亀頭をなめしゃぶり、竿をしごいて、桃山園のペニスを勃起させる。 まったく無駄のない動きだ。
「おおお……さすがねえ……」
 すでに何発も出しているはずなのに、美耶子のフェラと手コキで桃山園のペニスはギンギンだ。
 そのペニスに美耶子はまたがるようにして――
「子役の心得さん! カメラ目線で、挿入しちゃう……のぉ」
 ぬぷぅ……
 桃山園のペニスを膣に受け入れる。
「お、おっきい……! ももちーの、オチンチン、やっぱり、気持ちーよぉ!」
 おおおおお!
 観客も視聴者も、トップ子役・美耶子のまさかのナマ本番シーンに大興奮だ。
「さ、さすが美耶子ね……命令しなくても、ここまでしちゃうなんて」
 美耶子の尻を掴んで広げながら、桃山園が感嘆の声をあげる。
「だって……香里奈ちゃんに……子役の仕事がとっても気落ちいいって、教えたいんだもん」
 舌をのばし、桃山園の赤紫のベロとふれあわせながら、美耶子が言う。
「こうやって、監督さんや男優さんと、みんなが見ている前でえっちするのが……子役のお仕事なんだよ、香里奈ちゃん!」
 桃山園とセックスしながら、ステージ上の香里奈と視線を合わせる。「香里奈ちゃんなら、ぜったい、だいじょうぶだよ!」
 その声が香里奈の背中を押したのに違いない。
 香里奈はちいさくうなずく。
「か、監督さん! わ、わたしも――ホンバンのオーディション、やらせてください!」
 
       5

 美耶子にしゃぶらせながら、桃山園は香里奈の尻をもてあそぶ。
 割れ目を広げ、膣内をあらわにする。
 ああ、ピンク色の粘膜が――カメラに映されて、会場の大スクリーンのみならず、世界中にライブ配信されているのだ。
「香里奈ちゃんと処女膜あるじゃない。天然物の処女は、今時のオーディションじゃ貴重よ。たいてい、プロダクションの社長に食われちゃってるからね」
 子役志望者の処女率は限りなくゼロだ。子役に処女膜は邪魔だ。取れる仕事の幅が狭くなる。たいていの場合、ホンバンを含むからだ。
 だから、育成レッスンの段階で処女膜を破られる場合がほとんどだ。
「ほらあ、撮ってるわよぉ、香里奈のヒトケタ処女膜! うっすくて、透き通ってる膜が、丸みえよぉ」
「うううう……」 
 たった九年のあいだ、香里奈が守ってきた処女膜が、全世界の子役ファンたちに視姦されている。
 クリトリスも包皮を剥かれ、紅い小粒が顔を出している。
「そのまま! クリの裏側も見せるのよぉ」
「やああああ!」
 尿道口も――肛門も――穴という穴をすべて広げられて――
 撮られている。
 配信されている。
 何万、何十万――あるいは何百万、さらにはそれ以上の視聴者たちに、すべてをさらけ出している。
 視聴者は歓喜していた。
 少女の性器はもはやありふれているが、極上の美少女――それも処女となると話は別だ。
《美耶子のまんこに勝るとも劣らない美マン!》
《それも新品!》
《でも香里奈ちゃんもすぐ処女喪失かあ……たまりません!》
《こんな一桁美少女の処女喪失シーンをライブで見られるとか――日本、始まりすぎ!》
「ふふ、ギャラリーもお待ちかねみたいだし、いれっちゃうわよぉ……」
 桃山園のペニスが香里奈の中に入っていく。
「あああああ……入ってくるぅ……お、おとうさん……」
 香里奈が懸命に演技しながら耐えている。
 だが、涙がこぼれてくるのをどうしようもない。
 子役という道を選んだ以上、役の上で男優と濡れ場を演じることになるのは宿命だ。だが、初めては――初めてだけは――
「ひひひ、香里奈ちゃんの一桁おまんこ、いただいちゃうわよぉ……」
 香里奈の膣口に桃山園のカリ太チンポがめり込んでいく。
「あぅっ! いたぁっ!」
 膜に亀頭が食い込んでいく痛みに香里奈が声をあげる。
「だいじょおぶ、痛いのは一瞬よぉ、何百人もの子役の処女膜を破ってきた、あたしにまかせなさぁい」
 桃山園が、香里奈の会陰部を指で広げて結合部をカメラで接写させながら言う。亀頭がせわしく香里奈の膣に出入りする。入口をほぐしながら、処女膜を突いて侵入口を広げている。
 さすがは、数限りなく初潮前の少女を女にしてきた男だ。ただやみくもに突けばいいとは思っていない。
 広げられきった香里奈の会陰部から起ち上がるクリトリスを指であやして、香里奈から嬌声を引き出しつつ、じょじょに侵入する距離を深めていく。
「お、おとぉさぁん……!」
 涙目の香里奈がおれを見る。
「さあ、いくわよぉ!」
 桃山園が腰を入れて、一気に香里奈の膣奥まで貫こうとしたとき――
「桃山園さん……っ!」
 おれは声をあげていた。
「このオーディション、香里奈の最終オーディションはおれにやらせてください!」
 おれの語勢におされてか、香里奈の処女膜を破らんとしていた桃山園のチンポが硬度をうしなった。
「……ま、いいでしょ。どうせ、役が決まったら、演技指導でいくらでもやれるし――処女膜はあんたに譲ってあげるわ」
 桃山園は香里奈から離れると、美耶子に身体を寄せていく。
「かわりに美耶子のまんこを使わせてもらいましょ」
「えー、ももちー、かわりってしっつれーいじゃない? まあ、子役の心得的にはさっきの続きしてあげていーけどぉ」
 文句を言いつつも、桃山園のペニスを握ってこすりあげながら、キスをせがむようにあごをあげる。息ぴったりなのは、現場で数え切れないほどの回数、身体を合わせてきたからか。
「香里奈ちゃん、いっしょにえっちしよ! 最初の共演だよ」
 桃山園の顔を舐めまわしながら、ペニスを巧みにしごきつつ、美耶子が香里奈を誘う。
 香里奈はおれを見上げ、おずおずと股を広げる。
 桃山園に愛撫され、ほぐされた性器をあらわにする。膣口が広がって、穴になっている。処女膜が見える。
 ああ――おしめを替えたこともある――娘と信じた少女の処女膜だ。
 走馬燈が巡っていく。
 赤ん坊だった香里奈、這い這いをしていた香里奈、初めてパパと呼んでくれた香里奈――
 可愛い、この世で最も愛おしいもの。
 この少女の処女膜を、ほんとうに破ってしまえるのか。
 セックス、できるのか。

               つづく

うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと! 3rd(1)

2018/10/07 【男優のおしごと! 
   第三話 運命のオーディション

       1 

 そして、その日がやってきた。
「子役オーディション……ですか?」
「そうよぉ、いっちゃんのおかげもあって『LINEで始まる恋だから』の第二期が決まったから、美耶子以外にもう一人、メインの子役を登場させることになったのよ」
「はあ……そうですか……」
「この役は、いっちゃん、あんたに深くからむキャラだから、オーディションにも立ち会ってもらうわよ」
「……わかりました」
 おれが桃山園に抗うことができるはずがない。今の人気と収入は美耶子と桃山園のおかげであることはおれにもわかっている。
 収入が増えたのに応じて、毎月の養育費も大幅に増やした。相変わらず元妻からの連絡はなく、香里奈の写真一枚送ってこない。肝心の香里奈からのLINEもない。こちらのメッセージへの既読はつくのだがーー会いに行けないのがもどかしい。
 美耶子主演のドラマの主要キャストをオーディションで選ぶというニュースは、子役志願の少女たち、そして愛娘を人気子役にしたいと熱望する親たちをヒートアップさせた。
 急な告知にもかかわらず、一万通以上の応募があったそうだ。それも、八歳から十歳という制限つきでだ。
 書類選考、一次オーディションで絞り込まれて、この二次審査に残ったのはおよそ百人だ。
 どんな少女が候補となっているかは、当日、審査会場で発表される。 そのオーディションで、おれは特別審査員ということにされていた。

      2

 当日。
 会場は秋葉原にあるオフィスビルの一フロアぶち抜きのだだっ広いスペースで、ふだんは小規模な見本市や商談会に使われることが多いらしい。
 奥には小さいながらステージが設営され、審査員用の長机がおかれた後ろのスペースには観覧スペースもあった。そして何台ものビデオカメラ。
 オーディションの様子は公開収録され、ネットで生中継されることになっていた。観客による投票やネット視聴者のコメントも選考の資料になるという。
 観覧スペースには、幸運にも抽選に当たった美耶子ファン、子役ファンがつめかけている。むろん男性客ばかりで、かつ年齢は高めだ。
「こーんにちはー!」
 ステージの上には美耶子がいた。「LINEで始まる恋だから」の都としてのメイクと衣装だ。タイトルが長いので、「ライはじ」と呼ばれているらしいが。
 観覧者たち――おれと同年代の連中だ――が口々に美耶子の名を呼び、歓声を送る。
「ライはじ」は美耶子が義理の父親、担任教師、いきずりの男(おれの役だ)、三人の中年男の間で揺れ動くストーリーなのだが、そのせいか、中年男性から圧倒的支持を受けているのだ。
「パパ、せんせ、オジサマ――みんな元気ですかー!?」
 おおおおおお!
 おっさんたちが声をはりあげる。
「今日は、都に妹ができるってことで、とっても楽しみにしてます! 会場にいるオジサマたちや、ネット中継を見ているみんなの声も審査に影響するそうなので、都の妹をしっかり選んであげてねー!」
 はあああああああい!
 おっさんたちの声がうるさい。ネットでも、画面が文字で埋め尽くされていることだろう。
「それでは、ももちー、あとはよろしくー!」
 進行役は桃山園がやるらしい。美耶子はステージから立ち去る。かわって桃山園が小太りの身体に不似合いな高級スーツをまとって、登場。サングラスも含めてアルマーニらしいが、似合ってない。
「おほほ、ご存じ、天才ディレクターの桃山園よ。ここからはあたしが仕切るわ」
 小指をたててマイクを握っている。
「今回のオーディションは、『ライはじ』で宇多方美耶子演じる都……って、相変わらずややこしいわね、美耶子がせりふで役名いっつも間違うから、もう最初っから『みやこ』にしてるんだけど……まあいいわ。その美耶子の妹役を選ぶの。ご存じのとおり、『ライはじ』は超人気ドラマだから、そのメイン級の役をゲットした子にはスターの座が約束されてるわ! みんなはそのスター誕生の瞬間の目撃者になるのよ」
 おおおおお……
 観覧者の中からも、気合いのようなものが醸成される。
「じゃあ、始めるわよ! オーディション、スタート!」

     3

 都の妹役は「真知」という仮名が設定されていた。都の一つ下だが学年は同じ、事情があって遠く離れた祖父母のもとで養育されていたのが、都と同じクラスに転入してくるところからシーズン2は始まるらしい。それ以上の情報は出演者たるおれにも知らされていない。
「じゃあ、出てきて!」
 桃山園の声とともに、小さな女の子たちがわらわらと出てくる。
 多すぎて、ステージに乗り切れない。
 少女たちはマイクロビキニ姿だ。乳首と割れ目を隠しているだけ。
 これだけ半裸の少女が群れると、かえっていやらしくない。そういった空間なんだと思えてくる。
 都の妹分、という形で売り出すために、オーディションにもJS2からJS4までの年齢制限がもうけられていた。
 その少女たちが、一人ずつステージで、自己アピールをするのだ。
 持ち時間はわずか30秒。
 勝負の始まりだ。
「エントリーナンバー1番、野間ここあです! 八歳です! 好きな食べ物はあんころもちです! 歌とダンスが得意です!」
 ツインテールの美少女がプリキュアの主題歌を歌いながら、ダンスを披露する。
 子役志望だけにうまいものだ。
 しかし、桃山園は早々に遮った。
「あーはいはい、そういうのいーから」
 舞台で固まる桃山園は言い放った。
「ここあちゃん――だっけ? あんた、今ここでパンツ脱げる?」
「――え?」
「パンツを脱いで、カメラに向かって、おまんこ広げられるかって訊いてんの」
「そ……それは……」
「できないならいいわ。不合格よ、はい次」
「で、できます!」
 少女は懸命な表情で叫んだ。彼女たちは美耶子のような子役にあこがれてここに来ている。美耶子たち子役が、テレビや映画で裸になっていることも――大人の男優とシテいることも――おぼろげながらにわかっているのだ。
「み、みててください……っ」
 少女は、おしりを突きだして、くねくねさせたかと思うと、マイクロビキニの布地をずらして、アヌスと性器を露出させる。
 いちおうは練習も覚悟もしていたのだろう。
 観客は野太い歓声をあげ、ネットでは「子供まんこキター!」の書き込みが踊る。
「そうそう、やればできるじゃない……でも時間切れね、お疲れ様」
 少女は下半身丸出しで退場させられる。結局、性器を見られて、ネット中継されただけで終わった。
「みんな、持ち時間で、自分が何を見せるべきか、わかったわよね? あたしや観客が求めてるのはなにか、よっく考えなさい」
 出番待ちの少女たちの顔色がかわる。
「エントリーナンバー二番、石神ジュノン、十歳です! おまんこ、みてください!」
 いきなり、水着を脱ぎ捨て、無毛の性器を広げて粘膜を見せつける。ブラもとって、幼い乳首を見せる。
 30秒間、全裸で、さまざまなポーズを撮ってみせる。
「まあ、芸がないけど、いいじゃない、ストレートで。とりあえず残りなさい」
 少女はガッツポーズ。
 続く少女も全裸になる――性器を広げて奥まで見せる。
 一方、裸になれない少女、脱いでもアソコが色や形がイマイチな少女はさっさと落とされていく。これは、まあ、理にはかなっている。女児の子役は脱いでナンボだ。性器の美しさが売りなのだ。
 切れ込みの深いワレメ、無毛、ピンクの粘膜、そういった要素が、大人の女優にはない子役の武器だ。
 
「エントリーナンバー、十七番、香坂絵梨佳、九歳、クリが長いのがチャームポイントです!」
 指で包皮をずらして、年齢の割には発達したおさねを誇示する子もいる。
「へえ、いいじゃない。個性的よ。でも感度はどうなの? 自分でさわってみなさいよ」
「はい……」
 いつも触っているのか、なれた手つきでクリをいじる少女。
「あっ、あ! ビリって……! うん、ああ……!」
 子役オーディションの舞台でオナニーショウを始める。
「30秒の持ち時間でイケたら合格よ!」
「あっ! がんばり……ますっ! あああっ! あうぅうううっ!」
 小指の先ほどのサイズになったクリトリスをこすりながら、小学生女児がのぼりつめる。
「うーん、ま、おもしろいけど、真知のキャラじゃないわね。でもまあ、別の役ならありかも」
 こうした性的に熟れた少女には、子役としての仕事はけっこうあるものだ。まずは桃山園やスタッフの目にとまることなのだ。
 その後も審査は続いた。
 審査員の机の前でわざわざ脚をひろげ、膣の中まで見せるようにする子、アナルにバイブを入れてオナって見せる子、おもちゃのペニスをしゃぶって審査員を挑発してくる子――少女たちの身体を張ったアピールは続く。
 仕事柄、慣れているとは言え、次から次へと女児の性器を見せつけられるのは正直キツい。いちおう人の親でもある。
 と。観客が沸いた。
「一色みゆりです。九歳です」
 ひときわ目立つ美少女だ。ハーフっぽい顔立ち、髪は明るい栗色で、腰までの長さがある。どうやら染めているのではなさそうだ。
 ここまで出てきた少女たちも予備選考を突破してきただけに可愛い子揃いだったが、この子は際だって美しい。ある意味、優勝候補だろう。目鼻立ちだけなら美耶子よりも美形かもしれない。
 すでに全裸になっており、まるでフィギュアのように均整の取れた肢体を見せつけている。ほのかに膨らんだ胸、ピンと尖った乳首は薄ピンクで乳輪はほぼ肌色。ワレメはむろん無毛で切れ込みは深い。
 著名造形師が理想の等身大ロリフィギュアを作ったら、こんな感じになるのかもしれない――
「みゆりちゃん、おまんこびろーんって広げて見せて」
 しかし、桃山園は超絶美少女にもそんな下品な要求をする。
「は、はい!」
 いい返事をして美少女はカメラの前で性器を広げる。
 見た目以上に度胸もあるようだ。
 膣口を露出させる。
 子供サイズの肉穴。可憐に広がる花びら――小陰唇も見事なピンクだ。カメラが寄って、奥まで映す。
 薄ピンクの粘膜がネットに乗って、全世界に配信される。
 観客の反応も、ネットの書き込みも、これまでで一番の盛り上がりだ。
「これは有望ねえ。でも、みゆりちゃん、あんた、真知の役って、けっこうヤリマン設定なのよ。誰とでもセックスしちゃうJSなの。その役、できるのぉ?」
 そうなのか。脚本をまだもらってないから知らなかった。だが、桃山園が口から出まかせに言っている可能性もあるが……
「できます!」
 これまた良い返事だ。
 新人子役にとって性交が可能かどうかは重要だ。とくに幼い少女の場合は、挿入が可能かどうかで仕事のオファーの桁が違ってくる。
「おっけー、じゃあ、本番審査よ」
 桃山園が手招き。みゆりの表情がぱぁっと明るくなる。
 チャンスを掴んだのだ。
 本番審査では、当然、子役として、男優のペニスを受け入れることができるかどうかが審査される。
 逆にいえば、短い持ち時間で自己アピールできず、本番審査に進めなかった子はほぼ脱落だ。ここまで桃山園が残した少女たちも、少なくとも真知の役を掴むことはないだろう。
「ほほほ、まず、あたしが味見してあげるわ!」
 桃山園が下半身を丸出しにして、奇声をはなつ。
 この男のすごいところは、起用する子役はすべて自分で賞味するということだ。宇多方美耶子も例外ではなく、最初のオーディションでほとんどレイプまがいの強引さでセックスまで持ち込んだらしい。それがきっかけで子役ブームになったのだから、わからないものだ。
「ほらほら、みゆり、まんこ、もっと広げなさいよ――でないと落選よ?」
「は……はい!」
 九歳のみゆりが懸命にひろげた性器に、無造作に挿入する桃山園。当然のごとくノースキンだ。
「い……っ! うっ!」
 小さな、濡れてもいないこどもまんこに、ローションだけたっぷり塗り込んだとはいえ、中年男の生チンポをねじこむのだ。
 小さな子なら泣いてしまってもしかたない。
「がんばるノヨ、みゆり!」
 そばに来て声援を送っているのは白人の美女だ。みゆりの母親だろう。このひどいオーディションは、もちろん保護者の許可済みなのだ。
「ほら、おかあさんもがんばらなきゃ。みゆりちゃんがスターになれるかどうかの瀬戸際よぉ?」
「は、はイ」
 声援を送っていた母親は金髪に鳶色の瞳で、三十になるかならないかくらい、さすが子役志望の母親だけあって、女優もかくやという美女だ。おっぱいも大きい。
「失礼しまス」
 母親は服をはだけ、ブラもはずして、乳房を露出させる。釣り鐘型の美乳だ。乳首も薄いピンク。
 乳のサイズはF近いだろう。今からでも熟女系グラビアならモデルができそうだ。
 そのおっぱいを、まさにこの瞬間、自分の九歳の娘の性器をナマ姦している男の顔に押し当てる。
「ふああ、これはロリにはない楽しみよねえ、パツキン人妻パイオツさいこー!」
 おっぱいにむしゃぶりつく桃山園。乳首を吸い上げる。
「みゆりちゃんも吸ったおっぱいを味わうことで、みゆりちゃんの子役の特性もわかるのよぉ」
「あああっ! 監督サマ、みゆりをよろしくお願いしまスぅ!」
「ママぁ……」
「ハーフ美少女のっ……九歳おまんこ突きながら……っ! 金髪ママのおっぱいをぺろぺろするの、最高じゃない? みゆりちゃんの合格の可能性、出てきたかもぉ?」
「あああっ、ホントっ、ですカ!?」
「でも、競争率高いから、おかあさん、もっとがんばったほうがいいかもよぉ?」
「な……なんでもしまスぅ! させてくださイ!」
「じゃ、とりあえず、娘のまんこに中出し、しとくわねえ」
 桃山園は、排泄感覚で、九歳の少女に最初の生殖活動を教え込む。
 びゅっ! びゅっ!
「ああああぅ、なんか出てるぅ……」
 まだお赤飯前の少女でも、子宮に注がれる中年男の精子には反応してしまうのか。幼いながら雌の表情を浮かべている。
 そのすべてが中継され、配信されている。
 投票カウントが一気にはねあがる。
「うふふ、じゃあ、つぎはママンの番よぉ」
 娘の膣からペニスを抜いて、白い粘液の糸を鈴口から垂らしながら、今度は母親のヒップに狙いを定める。
「あああ、奥さんのでか尻、いいんじゃない? 子持ちにしてはおまんこもキレイだし。旦那とは週何回ヤッてんの?」
「いヤああ……みゆりの前デぇ……」
「言わないならオーディション終了よ」
「Th、三回……四回くらいですぅ……」
「まあ、けっこうお盛んじゃない。今夜もするのぉ?」
「し……しまス……みゆりが寝たら……しまスぅ」
「じゃ、今夜の夫婦生活の刺激にするといいわよぉ」
 みゆりの目の前で、みゆりの母親にバックから挿入する。
「娘のオーディションの会場で、AV女優みたいに撮影されながら、ファックしましたって、旦那に言うのよぉ……!」
「は、はい、報告しまス……というか、この配信も見てると思いまスぅ……!」
「娘と女房がオーディションで、あたしのチンポに犯されてよがっているところをネットで見てたら――旦那は狂っちゃうんじゃ?」
 みゆりママのオッパイを揉みしだきながら、桃山園が腰をたたきつける。
「ほらあ、ほらあっ! 人妻に中出しっ! カワイイ女の子を孕むのよぉ! そしたらその子も子役にしてあげるからあ!」
「ああああっ! COMINGっ! イっちゃうっ! 危険日なのに監督さんに中出しされて、妊娠、しちゃうううううっ!」
「おうっ!」
 どぴゅどぴゅどぴゅっ!
 容赦なく人妻の生膣に射精する。初潮前の子役志望の少女とするのとはわけが違う、ガチの種付けセックスだ。
 桃山園のやつ、いいのか……マジでデキても知らないぞ……それともそこまで仕込み済みなのか――正直、わからない。
 すくなくとも、桃山園はオーディションを楽しんでいる。
 この後も、気に入った美少女はホンバン審査に持ち込み、母親が好みであれば親子ともども食いまくっていた。

          つづく


うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと! 2nd(4)

2018/05/24 【男優のおしごと! 

「初フェラで、あんなにシャセーさせるなんて、香里奈ちゃん、子役の才能あるよ!」
 美耶子が香里奈を持ち上げる。
「え……そんなことないよ、美耶子ちゃんが教えてくれたから……」
「オーディション、受けたほうがいいってぇ」
「……やって、みたいかも」
「お、やっとヤル気になった?」
 美耶子がにやにやする。
「でも、香里奈ちゃん、わかってると思うけど、子役のおしごとのホンバンはもっと別のことだよ」
 美耶子が偉そうに胸を張る。
「知ってる……セックスでしょ」
 香里奈も直球で応える。
「香里奈ちゃんとおとうさんはセックスしちゃダメだから、美耶子がおとうさんとセックスします」
 なんのこっちゃ。
 休憩室に戻って、布団を敷く。仮眠用に用意されているのだが、こういう用途に使われることも想定しているのだろう。カップルの利用もおおいだろうから。
「ちゃんと、おふとんの上でエッチしたい」
 というのが美耶子のリクエストだった。
 そういや、観覧車の中とか、水族館の暗がりとか、おれのクルマの中とか、公園のトイレとか、そういうところでセックスすることが多いな。ラブホテルは美耶子と入るのはさすがに難しい。通報されるおそれがある。
 だから、撮影以外で、ベッドやふとんの上で、というのは初めてかもしれない。
「ふふ……なんか照れる」
 まさか、娘が見ているまえで――役者の仕事を見せることになるとは―― 
「おとうさぁん……美耶子のおまんこ、ナメナメしてえ」
 ぱっくり脚をひろげて美耶子が誘ってくる。
 無毛の真っ白な少女の股間を縦に割く陰裂。美耶子は指で性器を広げて、ピンク色の粘膜を見せつけてくる。
「お、おい、これ以上はさすがに……」
 おれはうろたえた。勃起はどうしてもしてしまう。だが、ガチの性行為を香利奈の前でするのはためらわれた。
 だが、その迷いを断ち切ったのは香利奈の言葉だった。
「おとうさん、見せて、美耶子ちゃんと……してるとこ……子役の――役者のお仕事、見せて」
 顔は赤らんでいたが、眼は真剣だった。
「おとうさんの、本気の演技、見たいよ」
 香里奈も子役デビューのため、劇団で演技の練習はしているようだ。だが、教官はみな女性で、実際の男性器を使った練習はできないそうだ。
 ほんとうに香里奈が子役を目指すとすれば、プロデューサーやディレクター、男優とのセックスは避けがたい。
 そんなことを許せるのか――
 だが、その判断は香里奈自身がするしかない。
 おれに今、できることは、役者の仕事を香里奈に見せてやることだけだ。
「ね、香里奈ちゃんのおとうさん――いつもみたいに、お芝居のセックス、しよ?」
 美耶子が性器を広げて誘ってくる。もう濡れている。JSのピンクの粘膜がてらてら光っている。
「ああ、しよう――香里奈、これが子役に求められることだ。大人の男優とセックスするところを撮影され、世界中に放送され、配信されるんだ。それがほんとうにおまえがしたいこと、なりたい職業かどうか、自分で見て判断するんだ」
 おれはペニスの先端を美耶子の膣口に押し当てた。
 カウパーと美耶子の愛液がまじりあう。
「あぅ……」
 ぴくん、と美耶子が反応する。
 香里奈に撮影されていることを意識しているのか、いつも以上に濡れがよくて、すんなり亀頭が入口の隘路を通過する。
 撮られるほどに、見られるほどに興奮するのが美耶子だ。
 おれはサカリまくっている少女の性器に、ギンギンのペニスを押し込んでいく。
 熱くて、狭くて、成人女性とは異質な感触が、おれの生殖器官を激しく高ぶらせる。
「ああーっ! きたあっ! おとうさんのおチンポ、美耶子のおまんこに入ってきたよぉ!」
 美耶子がわななく。何十回かそれ以上、
 少女の生殖器の奥の奥まで到達させ、小刻みに出し入れをするたび、濡れた内壁が亀頭をねぶってくる。
 世界一高性能なザーメン絞り器かもしれない。少なくとも十歳女児ではダントツだ。

「すごい……おとうさんのが、美耶子ちゃんのをあんなに押し広げて……入ってる……」

「あっ! うんっ……うふぅ……」
 香里奈がオナニーをしている。
 指を股間に入れて切なげに動かしている。
 九歳――もしかしたら初オナニーかもしれない。それくらいたどたどしい指の運びだ。
「香里奈ちゃん、おとうさんと美耶子のセックスみて、コーフンしちゃったんだね」
 美耶子が脚をおれの腰にからませ、おれのペニスを膣奥のさらに奥――子宮にまで導くようにする。
「んっ……おとうさんのオチンチン、一番奥まできてるよ。ね、香里奈ちゃんの目のまえで、子作りセックスしちゃう? 赤ちゃんの素を美耶子のおまんこの奥に、いっぱい出しちゃう?」
 美耶子の目は本気だった。
 妊娠を覚悟している女の目はわかる――元妻もそうだった。香里奈を授かったあの夜、彼女はおれを激しく求めてきた。
「ゴムなんて要らない――じかにほしい……きて!」
 美耶子に初潮が来ていないことは知っている。
 だがその身体はすでに卵子を作っている。
 排卵の時が来ていないだけだ。
 美耶子の性器を精子で満たせば、受精の可能性は限りなく低くともゼロではないのではないか。
 そう思うと、おれの中で獣が首をもたげる。
 海綿体を満たす血潮が熱くたぎる。
「あっ、あっ、おとうさんのっ……いつもより――っ!」
 少女があえぐ。のけぞり、喉をさらし、わななく。雌の悦びを全身で表現する。
 おれは自覚していた。この女、宇多方美耶子を孕ませたいのだ、と。おれの牡の本能がそうしたくて、いま、美耶子の子宮を犯し尽くそうとしているのだ。
 こうして刺激をすれば――美耶子の雌の本能がめざめて、初の排卵を促すかもしれない。初めての卵子に、おれの精子が命中すれば――
 ぞくぞくする。
 これがセックスだ。
 生殖行為――交尾だ。
 雌雄に分かたれた生命に与えられた史上の快楽だ。
 だからなのだ――希少なセックスには価値がある。言い換えれば、鑑賞に堪える。見た人にも快楽を与えるのだ。
 愛らしい少女が快楽に打ち震え、受精する瞬間――
 それは、見る者の人生を変えるかもしれない。
 いや、変える。
 変えてしまう。
 そうか。
 おれは突然悟った。
 それが、それこそが宇多方美耶子が子役として成功している理由なのだ。
 美耶子はホンバンの撮影で中出しを厭わない。
 当日、現場で顔合わせしただけの男優相手でも、よほどの理由がない限り、精飲、中出し、アナルまでOKだという。
 それは、美耶子の覚悟なのだ。女優としての、子役としての――
 受精するかもしれない――乏しい性知識しかなくとも、美耶子の身体はその可能性をわきまえている。だからこそ、こんなにわななき、打ち震えるのだ。子宮が泣きむせんでいるのだ。
 見る者の人生を変える一瞬を写し撮るために。
 いま、香里奈に撮らせているのも。
 二人きりの時にも、ハメ撮りを求めてくるのも。
 美耶子は子役として、おれとセックスしているのだ。
 ああ。
 だからか。
 おれが美耶子をいま、孕ませたいのも――
「いくっ! うぅぃいくうううううっ! いいいい。いきゅうっ!」
 美耶子が腰をはねさせる。尿をしぶかせる。演技では見せない本気イキだ。 
 おれは美耶子の膣奥――子宮内に亀頭をめりこませながら射精した。
 一発目と遜色ない――それ以上の濃度と量で――美耶子の小さな子宮を満杯にする。
 十歳の少女を受精させるための、本気の子作りセックスだ。
「あう……っ、んは……っ」
 美耶子はカエルのように両脚を広げ、ひくつかせている。
 ペニスを抜いた直後の膣がぽっかり口をあけている。隘路を拡張していた男根の体積を惜しむかのように、穴はじょじょに小さくなり、それとともに、膣奥から濃い子種汁を溢れさせる。
「すご……いよ、美耶子ちゃん……ほんとにすごい」
 股間から愛液を幾筋も内股にたらしながら、香里奈がつぶやく。スマホはしっかり構えたままだ。
 香里奈の包皮内のクリトリスが体積を増し、ワレメを少し開かせている。
 一瞬、その幼い性器にねじこむことを想像し、射精したばかりのペニスに力がみなぎった。
 おれは――自分の娘にも興奮する獣なのか――
 と。
 あえいでいた美耶子がいつの間にか起き直っておれのペニスをにぎり、顔を埋めてきた。尿道に残った精液を吸い上げて、さらに亀頭を丹念に清める。
「香里奈ちゃんのおとうさんのセフレは美耶子、だから。もっとしたいなら、美耶子のアナ、ぜんぶ使っていいよ? おまんこでも、おしりでも、おくちでこのままでも――好きなとこにおとうさんのエッチなネバネバ、出して」
 美耶子は気づいている。おれが香里奈に欲望を抱いたことを。だからやんわりと、それをいさめたのだ。
 おれは、そのまま、美耶子と二回戦になだれこんだ。バックからアナルに挿入し、徹底的に犯した。
 美耶子のアヌスに何発も――
 家族風呂の使用時間を超過しそうになるくらい、夢中だった。
 気がつくと、香里奈はオナニー疲れで眠っていた。
 
 帰り道、香里奈を最寄り駅で落とし、クルマの中で美耶子と二人きりになった。
「今日は、ありがとうな」
「え? なにが?」
「香里奈のこと――子役志望があそこまで本気だなんて、思わなかった」
「子役に本気って言うより……ま、いいか」
「なんだ、それ?」
「んーなんでもない。でも、香利奈ちゃんが子役になったら、強力なライバルだなあ……」
 美耶子が思案げに言う。
「でもいっか。香利奈ちゃんといっしょの現場だと、楽しそうだし」
「だが、子役になるなんて、香利奈に本当にできるのか?」
 元女房と――あと、その亭主の先輩役者が賛成するだろうか?
 先輩の役者の名前も、ここまで来たら出さざるをえないだろう。ある伝統芸能の役者として人気者になっている――糸川可児蔵――芸能界では珍しい「子役排撃派」だ。
「子供に過激な演技をさせるのは間違っている。そもそも、歌舞伎や能狂言ではそんなことをせずとも芸として確立している」
 そう主張している。
 それが真摯な気持ちからのものか、それとも別に意味があるのかは、正直わからない。
 おれは溜息をついた。
 香利奈のこともだが、おれには美耶子に言わねばならないことがあった。
「なあ、おれたち、ちゃんとつきあわないか……?」
「え?」
「つまり……だ。いますぐはもちろん無理だが、将来のことも考えて――」
 将来――十歳の美耶子の将来を支えるとか――むしろおれが老後の介護を頼むレベルじゃないのか?
 それでも――
「ごめん、さすがに香里奈ちゃんのお母さんにはなれないよ……」
 美耶子は眼を伏せて絞りだすように言った。
「でもね」
 顔をあげる。涙がこぼれそうに両目にたんまっている。
「美耶子のこと、いつでもエッチしてもいいよ。本気のセフレになってあげる、その権利あげる……ゆういち以外は、香里奈ちゃんのおとうさんだけ……」
 半泣きの美耶子がくれたのは手書きの「えいきゅうセフレ券」――

「男優のおしごと!」完結編につづく


うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと! 2nd(3)

2018/05/23 【男優のおしごと! 

 家族風呂は陶器でできた湯船がひとつと、半露天の檜風呂ひとつ。半露天のほうは屋根はあるが壁がなく、そこから港が見えた。
 貸し切り料金はかなり高そうだが、以前、ロケに使ったことがあるらしく、コネでかなり安くなったそうだ。デートの場所は、香里奈のこともあって、美耶子が手配している。まあ、トップ子役として稼いでいる美耶子にしてみれば、はした金だろうが。

 おれたちは服を脱ぐと、まずは陶器風呂を楽しんだ。
 一〇歳の天才子役にして今はおれのセックスフレンドである宇多方美耶子と、正真正銘、九年間、わが娘として育ててきた香里奈と、同じ湯船につかっている。
 それどころか、そこまで広くない湯船だから、二人の少女と肌を触れあわせている。
「ねーねー、おとうさん、どっちのおっぱいがおっきい?」
 美耶子が訊いてくる。ほのかな胸にピンクの乳首をたたせて、見せつけてくる。
 いっぽうの香里奈は恥ずかしそうに胸を隠す。香里奈の乳輪は美耶子よりも大きいが、乳首は小粒だ。膨らみのサイズはもう香里奈の方が上のようだ。白い肌がぷちんと盛り上がって、近い将来、巨乳に育ちそうな予感がする。
「香里奈の方が大きいだろ」
「えっ!? 年下に負けた? うそうそうそ、それはないよぉ」
 美耶子はショックを受けたようだ。認めたくないらしい。
「ちゃんと、触って確かめてよ、おとうさん」
 美耶子はおれの手を取ると、自分の胸を押し当てる。すでにピンコ立ちの乳首の感触が掌に伝わる。
「香里奈ちゃんも、ほら、はやく」
「う……うん」
 香里奈が応答し、覚悟をきめたようにおれのもう一方の手を掴むと、やはり自分の胸を押しつけてくる。
 ふわっとした感触が伝わってくる。九歳にしてはかなり大きいほうではないか。もうスポブラが必要なサイズだ。
 どういう状況だ。一〇歳のセフレと、九歳の娘のおっぱいを、風呂につかりながら、触りくらべることになるとは。
 それにしても――香里奈のおっぱいの触り心地は素晴らしい。およそ一年で、子供はここまでおおきくなるのか。
 欲望というよりは純粋な感動のほうが大きい。
 乳首も、成長した。
 淡い模様のようだった乳輪も少し色づき、乳首も主張しはじめている。
 粒をつまんで、こねる。
「んっ……ぅ」
 香里奈が声をもらす。思わぬ甘い声に、あわてて手を離す。
「いいの……おとうさん……もっと触ってて……安心するの」
 そうか……
 おれも心安らぐ気がしている。香里奈の肌に触れていると。
 娘の成長途上のおっぱいに愛を感じない父親はいない。実際に触れてしまう父親は稀だと思うが、それでもいやらしい気持ちからではないのだ。
「もお……美耶子のおっぱいには興味なしですか、そうですか」
 あきれたように美耶子は言うと、持ち込んでいた防水スマホで撮影を始めた。
「香里奈ちゃん、いぇーい! 子役のオーディションだと思って、カメラに目線くださぁい」
「おい、美耶子」
「いいの、おとうさん。わたし、オーディションでもちゃんとできるようになりたいの」
 香里奈がきっぱりと言い、おれの手をとって、胸に導く。
「はい、じゃあ、おとうさん、香里奈ちゃんのおっぱいをモミモミしてね」
 へんなことになった。
 おれが香里奈の胸を背後からわしづかみにするところを、美耶子が撮影している。
「はい、もっとやらしく揉んで」
 などと言ってくる。
 やむなく、香里奈の膨らみを強めに揉み、乳首をつまんで引っ張る。
「んっ! あっ……はぅ……うみぃ……」
 香里奈は声を弾ませながら反応し、じきにうっとりとした表情にかわっていく。
「香里奈ちゃん、いいカオになってきたよ。うーん、いいねえ」
 美耶子はスマホで撮影しながら、香里奈の胸に顔を寄せて――
 ペろんっ
 と香里奈の乳首を舐める。
「はんっ!」
 香里奈は明らかに感じた声をだした。
「いい声だねー、もうちょっと鳴いてみようか」
 誰の物まねだか、美耶子はカメラマンのように甘くささやきながら、香里奈の乳首を舐め、吸い上げる。
 もうこうなるとおれと美耶子で結託して、香里奈の乳房を責めているようなものだ。
 おれが香里奈の胸をもみしだき、勃起した乳首を美耶子が吸う。
 かと思えば、美耶子が甘噛みした香里奈の乳首を、おれが指で小刻みに弾いてやる。
「あっ、あんっ、ああああああ……」
「香里奈ちゃん、おっぱいだけでイキそう?」
 まさか、香里奈は九歳だ。乳首への刺激でイケるはずは――
 おれは思わず香里奈の両乳首をつまんで、きゅっと引っ張った。指先で振動を与えながら、最後にひねりあげる。
「ひぃっ! いうぅううううっ!」
 香里奈が引きつった声をあげる。イッたのか。
「うわー鬼畜」
 美耶子が撮影しながら、引き気味に言った。
 いや、これは職業病というか――


「じゃあ、今度は香里奈ちゃん、撮ってて」
 スマホを香里奈に渡すと、美耶子はおれの側に寄り添った。
「お、おい」
「わ、すっごくなってる。おとーさん、やーらし。香里奈ちゃんのおっぱいモミモミして、こーんなになっちゃったんだ?」
 美耶子はいたずらっぽく笑うと、香里奈に声をかける。
「香里奈ちゃん、子役のおしごとって知ってる?」
 美耶子は、おれのペニスをしごいている。
「こうやって、男優さんのオチンチンを大きくして、いろいろするんだよ?」
「しってる……美耶子ちゃんとお父さんが出てたドラマ、見てたから……」
 スマホを手に、顔を上気させた香里奈はおれの股間を凝視している。
「いまの……劇団では、そういう演技についても、教えてくれるから」
 子役ブームを背景に急増している子役専門の劇団では、高まる一方の需要に応えるため、フェラチオや手コキの基礎技術を教えているのだ。
 実をいうと、おれたち男優もそういった劇団に指導役として呼ばれることも多々あり、けっこうな収入源になっているのだ。香里奈の入っている劇団には呼ばれたことはないが、この前行った劇団では、五歳から十歳くらいまでの子役のタマゴたち数十名に勃起したペニスを見せ、触らせ、舐めさせた。
「わたしがいるとこはプロの男優さんじゃなくて、おもちゃ……バ、バイブとか……つかうの」
 言いにくそうに香里奈は言った。
「えーそれじゃあ、練習にならないって。あ、そうだ、おとうさんので練習したらいいじゃん。せっかくなんだし」
 美耶子がさも名案を思いついたかのように言うと、おれのペニスをしごきながら、亀頭にキスをする。
「ね? 美耶子がお手本みせるから、いっしょに、練習しよ?」
 舌先をカリのくびれに這わせながら、香里奈を誘う。
「え……でも……」
 香里奈はためらっている。当然だろう。もはや縁が切れているとはいえ、仮にも一年前まで父親だった男だ。
「ひひほ……ひははははら、ひゃんはひへ」
 美耶子はおれのペニスをくわえて、言った。気が変わったら、参加して、ということらしい。
 れろれろ……ちゅうちゅう……
 美耶子の舌が亀頭を舐め回し、唇で尿道とのキッスを繰り返す。
 てろーり、てろーり
 竿を下から上に幾度も舐めあげる。
 ぱくっ、はむっ、ぱくっ、はむはむっ
 左右の睾丸をやさしく口中に吸い込み、甘噛みする。
 そして、また亀頭をおもむろにしゃぶりたおす。
「うぅ……」 
 思わずうめいてしまう。小学生とはとても思えないテクニックだ。
「すごい……おとうさんが、あんなに気持ちよさそうに……」
 スマホで撮影しながら、香里奈が震え声を出す。湯船に立って、膝をこすり合わせている。無毛のワレメの奥が疼いているのだろうか。
「はぷっ、おいしー」
 おれのペニスから口を離し、よだれをぬぐって美耶子がほほえむ、
「ね、香里奈ちゃんもしてみよ?」
「え、あ……うん」
 香里奈はうなずいてから、慌てておれを見上げた。いい?と訊いてくるかのようだ。
 愛娘にそんな顔をされて拒むわけにはいかない。
「いいよ、きて」
 香里奈の表情がぱぁっと明るくなる。
 フェラチオは今やあいさつのようなものだ。
 倫理観は揺れ動く。一年前なら絶対にそんなことはさせなかったろうが、今や子役にとってフェラは必須項目で、子役を目指す以上、香利奈はどんなチンポでもしゃぶらなくてはならないのだ。
 美耶子はそんな香里奈からスマホを受け取ると、そのままおれに押しつけた。
「あっとぉ、ここからはおとうさんが撮影してね」
「まだ撮るのか?」
「あったりまえでしょ? これ、香里奈ちゃんのオーディションの練習なんだから、カメラを意識しないと」
「そんなものかな」
 おれは、スマホで動画を撮る羽目になった。娘にフェラチオされるところをだ。まさか、こんな体験をすることになるとは……
「おとうさん……舐めるね」
 上目遣いで香里奈が宣言する。そうすることで踏ん切りをつけようというのか。
「いけっ! 香里奈ちゃん、ゴー!」
 美耶子が焚きつけ、香里奈はぎゅっと目をつぶって、おれのペニスにかぶりついた。
「うがっ!」
 お約束どおり、香里奈は歯を立ててしまい、おれは悶絶した。
「ああ、だめだよぉ、香里奈ちゃん! 業界トップクラスのオチンチンなんだよ、優しく、優しく、ね?」
「ごめんなさい、おとうさん、痛かった?」
「いや……へ、へいきだ」
 言いつつも、ペニスに子供の歯形が残ってしまった場合、次の撮影時、どう言い訳をしたものか……
「もう一度、いい?」
 香里奈が訊いてくる。練習をどうしてもしたいのだろう。
「……いいとも」
 おれはうなずく。もう噛まないでくれ、と祈りながら。
「こうだよ」
 美耶子がまずおれのペニスをほおばる。
「つばで口いっぱいにしとくのが、コツだよ」
 くちゅくちゅ、音をたてて、亀頭をねぶる。
「ね、かんたんでしょ?」
「うん、やってみる」
 香里奈は今度は慎重に、おれのペニスを唇に受け入れた。
 それを、おれはスマホで撮っている。
 去年まで、娘として一緒に暮らしていた少女が、おれのチンポを懸命にしゃぶっている。
 時折、目をあげておれに問いかけてくる。
 ね、うまくできてる? きもちいい?
 香里奈の舌の動きはつたないが、そのつたなさが愛しくて、快感が突き上げてくる。
「ね、おちんちんの先っぽ、ちろちろしてあげて」
 美耶子が教官のように香里奈を指導する。
「こう?」
 香里奈がおれの鈴口を舌先でくすぐる。
「そそ、あと、張り出したエラのうらっかわとか」
 れるれるれる……
「しごきながら、先っぽくわえてくちゅくちゅしたげても悦ぶよ」
 シコシコ、くちゅくちゅ、シコシコ、ちゅっちゅ
「うう……あっ」
「おとうさん、でちゃいそう? 香里奈ちゃんの初フェラでぴゅっぴゅしちゃう?」
 美耶子がおれに抱きついてきて、耳を舐めてくる。
 そしてささやいてくる。
「いいと思うよ……親子でも。フェラだったらセックスじゃないしぃ」
 美耶子はさらに耳穴に舌先を入れてくる。乳首もいじってきて……
 香里奈は懸命に舌を動かしている。
 さっき美耶子がしていたように、竿舐めや、睾丸あやしも試みる。
 それを、おれは撮影しながら――
 熱い精液がこみ上げてくる。
 ああ、香里奈、香里奈――
 たまらずおれは片手で香里奈の頭をつかみ、引きつけた。
「うぐっ!?」
 香里奈が目を見開いた。
 喉奥まで亀頭が届く。
 こんな快感が――
 マグマのように衝きあげる。
「香里奈ちゃん、セーエキくるから! 息とめて、耐えて!」
 美耶子が声をあげた。
 おれの意識が白く灼ける。
 弾けていた。香里奈の喉奥に、激しく射精していた。
 反射的にペニスを抜いていた、それがもう少し遅かったら、香里奈を精液で窒息させていたかもしれなかった。
 抜いたペニスから噴出するザーメンが香里奈の顔に降り注いだ。
 仕事でも、なかなか出ない量と濃さだった。
「すっごーい、おとうさんの、いつも濃くて量もすごいけど、ここまで多いのは、初めてかも」
 美耶子は、咳き込む香里奈の背中をさすってやりながら、驚きの声をあげていた。
「よっぽど香里奈ちゃんのフェラが気持ちかったんだね、なんか妬けるぅ……」
 香里奈は咳をおさめながら、自分の顔を塗り込めた精液を手に取り、指でその粘性を確かめ、匂いをかいだ。
「すごい……これがおとうさんのセーエキ……赤ちゃんのもとなんだ……」
「そうだよ。これをゴックンするのも子役の仕事だよ」
 美耶子が香里奈の顔を舐め、おれの精液をすする。粘度が高すぎるのか、まるで麺のように尾をひいて、美耶子の唇に吸い込まれる。
 ごっくん。
「ずるい、美耶子ちゃん、これ、わたしのなのに。わたしもゴックンするぅ」
「香里奈ちゃんはオチンチンから直接のめばいいじゃん。お掃除フェラも大事だよ」
 美耶子の入れ知恵のおかげで、香里奈がおれのペニスにむしゃぶりつき、尿道に残った精液を吸い上げようとするので、また勃起してしまった。
 今度はコントロールしながら香里奈の口に適量、射精をしてやった。本来はそれができるのがプロなのだ。
「ん……んく……んぐ」
 なかなか喉を通らなかったようだが、なんとか飲み干した香里奈は、美耶子からお作法を教わって、ちゃんと飲めたことを口をあけてみせてくれた。

つづく

うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと! 2nd(2)

2018/05/22 【男優のおしごと! 
3 

 観覧車に乗ると、美耶子はおれの正面に座り、ベンチの上で膝をたてた。白い布地を覆われた、股間が見える。
 美耶子はいたずらっぽくおれを見つめている。
「――どういうつもりで、おれをさそった?」
「せっかく二人きりなのにそういうこと訊く?」
「質問してるのはおれだ」
「うんっとね――ドラマのシチュエーションを体験してみかった、とか?」
「はぐらかすな」
「ほんとだよぉ。遊園地デートとかしたことなかったし、お仕事以外で、香里奈ちゃんのおとうさんとお話したかったのもほんとだし」
 美耶子は超人気子役だ。仕事でいろいろな男優とセックスしていても、プライベートで誰かと会っていたら、スキャンダルどころか、淫行という犯罪にもなりかねない。
 日本では、十八歳未満は児童扱いなのだ。いまだに。
 そういう意味では、美耶子もリスクを冒している。
「さっき、お化け屋敷で、手を握ってきたのは――きみじゃなかった」
 暗闇のなかでほかの少女とすり替わった――匂いでわかる。感触は今も手に残っている。
「あ、やっぱり、わかってた?」
「わかるさ。自分の娘だからな」
 赤ん坊の頃から抱きしめてきた。美耶子とは違う形で、そのすべてを知り尽くしている。
「香里奈ちゃんに頼まれたの」
 美耶子は悪びれることなく答えた。
「香里奈に?」
「うん。香里奈ちゃんのお母さん、厳しいんだって。おとうさんに――あ、もちろんおじさまのことね――会いに行きたいっていっても許してくれないし、習い事とかで全部時間を埋められっちゃってるんだって」
「そうか」
 元妻らしい。あれは香里奈に自分の夢を託している。女優として成功できず、おれのような大部屋俳優に引っかかってしまったことを悔いていた。
「でね、香里奈ちゃんの予定の中で、半日だけ時間をあけさせてもらって、ほかの友達と遊園地で遊ぶってことにして、お化け屋敷で入れ替わったの。あたしああゆうの苦手だしぃ」
 暗闇の中でしがみついてきた、小さな身体。震えていた。
 香里奈……
「ありがとう……感謝する」
 おれは頭を下げた。
「わ。おじさまにお礼言われちゃった」
 目を見開き、驚いたように美耶子が反応する。
「でも、あたしもすっごく楽しかったし――」
 夢だったし――とつぶやいたのは本音っぽかった。
「ね」
 美耶子がパンツの布地をずらした。
 少女の性器があらわになる。
 濡れている。
「えっちな気分になっちゃった……」
 十歳の少女がいやらしい表情になって言った。
「お礼、もらっていい?」
 観覧車が地上に戻るまで、十分ほどしかない。
 美耶子を膝の上に乗せて、挿入した。
「ふあああっ! すごいよおっ!」
 美耶子がしがみついてくる。
「おとうさんの――気持ち良すぎるうっ!」
 ほかのゴンドラに乗っている客からすれば、仲良し親子が抱き合っているように見えたことだろう。
 高所におびえた幼い娘をなだめすかしているかのような。
 実際には性器どうしでつながっていた。
 おれは初めて、撮影現場以外で美耶子とセックスした。
 久しぶりのプライベートでのセックスの相手が小学生とは――
 撮影ではもっとちゃんと準備をする。ローションも使う。
 だが、たぎっていた。
 美耶子の中に、ただただ吐き出したかった。
 カメラマンがいない。照明も音声スタッフもいない。桃山園がいちいち演技指導してこない。
 こんな仕事をしながら言うのもなんだが、これは違法行為だ。撮影という虚構をともなわない子供とのセックスは――罪だ。
 だからこそ興奮する。
 何十回も味わったはずなのに、美耶子の膣が痛いほど締めつけてくるのに驚く。細い身体を抱きしめる。髪の匂いは、一日たっぷり遊んだ子供のそれだ。
「あああっ! だめぇ、だめぇ……うくっ!」
 美耶子の顔がゆがむ。快楽にもだえている。
 仕事以外での美耶子の痴態は幼げだった。
 なんの技巧もない。うぶな十歳の少女だ。
 その少女の尻を掴んで、好き放題に突く。
 世界で最もたくさんの男根を受け入れたロリビッチ初潮前膣穴にペニスを埋めて、小刻みにストロークする。小学四年生の生意気な襞がおれの亀頭を舐めしゃぶり、射精を急いてくる。
「ああああっ! おじ、おじさんっ! ほんとにぃ……きもちぃいいいっ! おまんこ、とけちゃうぅうううっ!」
 撮影の時とはちがう、美耶子の反応。
 少女の子宮をナマで突きまくる背徳感。
 これは同年代の娘を持つ父親ならではの感覚だ。
 おそろしいほどの快感だった。
 五分もたず、射精した。
 膣奥にたっぷりと子種を注ぎ込んだ。
 ゴンドラが地上に近づいていく。
 美耶子はおれのペニスを口に含み、お掃除フェラできれいにしてくれた。ふたたび勃起してしまうのには困ったが――
 そして美耶子は脱いだパンツでシートの汚れを拭き取り、ゴンドラから何食わぬ顔で降りる。勢いよくはねたものだから、スカートがめくて、ワレメが見えそうになる。
 係員は一瞬怪訝な表情になったが、次の客をゴンドラに導き入れた。 雄と雌の体液の匂いが残っていたかもしれないが――カップル客ならちょうどいい刺激になるかもしれない。
「わたしたち――つきあってるっていうのかな? それとも、セフレかな?」
 手と手をつなぎながら――恋人つなぎというらしい――美耶子はそう言って笑った。


 それ以来、美耶子とはプライベートでデートする仲になった。
 つきあっているとは言えまい。お互い、恋愛感情はない。
 だが、肉体は惹きつけあっていた。相性がよかったのだろう。
 美耶子の方には、彼氏では満たされない「父親に甘えたい欲求」があったのかもしれない。
 それと、美耶子とのデートにはもうひとつ大事なイベントがセットになっていた。いつもというわけではないが――香里奈と会えた。
 美耶子がうまくセッティングしてくれたのだ。

 その日は、天然温泉をくみ上げているというスーパー銭湯に来ていた。家族風呂を貸し切りにしているから、周囲に目はない。
 小学生の娘を二人連れてきた父親、というのがおれの役柄だ。
 家族風呂といっても畳敷きの休憩室つきだから、そこで歓談できるし、ルームサービスで料理も運んでもらえる。
 実際、三人で昼食を取ったところだ。おれも昼からビールを飲んでいる。
 香里奈は九歳――親の自分が言うのもおかしいが、美少女に育っていた。身長は相応だが、脚が長い。ショートボブにしているせいもあるだろうが、顔が小さくて、モデルにもなれそうだ。
「おかあさんがね、芸能人になりなさいって――」
 元妻は売れない女優だった。美形でスタイルもよかったが、女優としての華、存在感がなかった。美耶子が持っているようなオーラがなかった。
 仕事を得るために枕営業をしていたことも知っている。おれとつきあうようになる直前まで、そういうことをしていたようだ。
 おれと暮らすようになって、香里奈を身ごもり、元妻は女優をやめた。引退する、などと宣言する必要もなかった。無名だったからだ。
 あいつは香里奈に夢を託しているのかもしれない。
「劇団にも入ったし、モデル事務所にも登録したけど――」
 まだデビューはしていないようだ。
「香里奈ちゃんなら子役になったらすぐにスターになれるよー! だって、かわいいもん!」
 割って入ってくるのは美耶子だ。そう、忘れがちだが、本来は美耶子とのデートなのだ。
「そんなぁ……美耶子ちゃんに比べたら、わたし地味だし、かわいくないよ……」
 学年は一つ違うが、同じ学校に通っているいるらしい。香里奈からすれば美耶子は大スター、まぶしい先輩なのかもしれない。
 親の欲目かもしれないが、香里奈は美耶子にけっして劣ってない。目が大きく、ちょっと垂れ目加減で、おとなしそうなのが良いという男も多いだろう。そのあたりは元妻に似ている。やたらめったら男に――特に年上の男にもてていた。
「かわいいよー、ももちーが見たら、たぶんほっとかないと思う」
 美耶子が言う「ももちー」とは桃山園のことだ。子役デビューとなったら、香里奈も桃山園に食われることになる。正直それは許しがたいな……
「さてと」
 美耶子が立ち上がる。
「ごはんもたべたし、お風呂はいろ! ね、香里奈ちゃん」
「え、でも……」
 おれを窺うようにする。
「いいよ、入っておいで。おれはここでのんびりしてるさ」
「なにいってるの? おとうさんも入るんだよ! ね、香里奈ちゃーん」
 美耶子が香里奈に抱きつきながら、おれに目配せしてくる。
「香里奈ちゃんから聞いてるよ? 去年までいっしょにお風呂入ってたんでしょ?」
 う。
 たしかに、元妻と別れる前は、香里奈とよくいっしょに風呂に入っていた。だが、香里奈は今よりもっと小さかったし、年齢的にも不自然ではなかったはずだ。
「おまんこの洗い方も、おとうさんが教えてくれたんでしょ? ちゃんと広げて、きれいきれいしなさいって」
 それは陰部はきれいにしないといけないからで……
「最初のうちは、怖くて触れなかった香里奈ちゃんのかわりにおとうさんが洗ってあげたんでしょ?」
 おれは香里奈を見た。香里奈は困ったように目を伏せる。
 そんなことまで話したのか――おれが親権を取れず、面会も許されていないのは、香里奈への性的虐待の疑いをかけられたからだ。今の時代、親子のスキンシップさえ、ゆがんだ目で見られるのだ。
「あのね、香里奈ちゃんは、それ、自慢していってたんだよ?おかあさんよりずっと、香里奈ちゃんの身体のことについて気を遣ってくれていたって」
「あ……そうなのか」
 こくん、恥ずかしそうに香里奈はうなずいた。
「ね、三人でお風呂はいろ?」
 美耶子が重ねて提案し、おれも応じることした。美耶子も香里奈も、違った意味でだが、おれと風呂に入るのは慣れている。

つづく


うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと! 2nd(1)

2018/05/20 【男優のおしごと! 
第二話 美耶子がセフレになっちゃった


「あん、あっ、あっ……はぁ……」
 照明にさらされ、周囲をカメラと音声マイクで固められ、宇多方美耶子はあえいでいた。
 少女の肌は紅潮し、汗の玉が浮いている。広げた脚の間――無毛のヴィーナスの丘を断ち割っているのはおれのペニスだ。
  連続ドラマ『LINEで始まる恋だから』のレギュラーになってから2ヶ月。
 週の半分は、こんなふうに濡れ場の撮影がある。
 リハや撮り直しも入れれば、この少女と肌を合わせた回数は三十数回にのぼる。
 これほどの回数、ただの一度も避妊せず、生挿入、膣中だしを繰りかえした女は、元妻も含めてもいないかもしれない。
 美耶子の身体のすべてを知り尽くしたといっていい――十歳の少女の肉体でおれの亀頭が触れていない部位は残っていない。膣はもちろん、アナルも口腔もだ。
 それでも、撮影のたびにおれは驚かされることになる。一日ごとに、美耶子は変わっていく。成長期のエネルギーに満ちあふれている。そして、おれの精液を容赦なく搾っていく。
 今もだ。
「むっ……んぅ……おじさまぁ……」
 子供の口腔を舐め回しながら、おれは美耶子の細い身体を膝の上で抱きしめる。ペニスは美耶子の膣内に埋まったままだ。少女のぬるぬるの肉筒がおれに射精を迫ってくる。
 それをこらえながら、おれは美耶子の尻肉を左右に広げる。おれからは見えないが、肛門が左右に広がり、濃いピンクの粘膜がカメラにとらえられているはずだ。
 その美耶子のアヌスに、おれのものではないペニスがこすりつけられる。
 共演者の星乃源のペニスだ。美耶子の担任教師役で、主題歌も歌っている。このドラマでブレイクした一人だ。
「せ、せんせ……おしり、入れちゃうの……?」
 美耶子が不安そうに言うが、もちろん演技だ。
 星乃源は美耶子の肛門に亀頭をこじ入れる。何度もそれを繰り返し、馴染んだところでゆっくり沈めていく。
「あ……っ! ああ……あああ……入ってきちゃ……ぅ」
 おれと星乃、二本のペニスを受け入れた美耶子は、甘く鼻にかかった声をもらす。
 二本のペニスが美耶子の前後の穴を押し広げながら、それぞれ子宮と直腸をむさぼる。
「あっ! はぁ……っ! んうううっ!」
 美耶子がたまらないように、おれの唇を求めてくる。
「んぅ! んんーっ……むんんん……」
 鼻を鳴らしながら、おれと舌をからめている。
 と、おれの顔の横にもう一人の共演者が現れる。
 すると、美耶子の舌が唾液の糸を引きながらおれからはなれ、三人目の共演者、氷谷豊――美耶子の父親役だ――のペニスにからみつく。そして、愛しげにしゃぶり始めるのだった。
「はぷっ……れろ……パパのおちんちん、おいしいよぉ……」
 ヴァギナ、アナル、オーラル、穴という穴に成人男性の生殖器を打ち込まれた少女は、性的搾取の被害者などではなく、男たちをむしろリードし、全員を射精に導いていく。
 男たちは声なき声をはなって、それぞれのタイミングで射精する。
 そして、挑む穴をかえて、二回戦、三回戦と繰り返す。
 のべ十数回の射精を受けて、美耶子は全身を白く粘つく精液まみれとなり――
「おじさま、せんせ、パパ――みんな、大好き!」
 三本のペニスに順々にキスしていった。
「はいカットー!」
 桃山園がカチンコを鳴らす。
「はい、これで、『LINEで始まる恋だから』、全シーン撮影完了よー、みなさん、お疲れー」
 その宣言により、スタッフ全員が拍手する。
 と同時に、主演女優の美耶子に花束が手渡される。
 数時間におよぶ4Pシーンの撮影に、おれを含む男優陣は疲労困憊だったが、若い美耶子は元気いっぱいで、花束をうれしげに掲げた。
「すっごいうれしい! ドラマもハッピーエンドだし! 最高!」
 人気ドラマ、『LINEで始まる恋だから』の最終回のクライマックスシーン。美耶子と関係を持った三人の男たち――氷谷豊演じる義理の父、星乃源演じる担任教師、そしておれが演じることになった行きずりの男が一堂に会し、美耶子を巡って争ったあげく、けっきょくは全員で美耶子とセックスしまくって、新しい形の家族になる、という展開だ。最終回の2時間スペシャルの後半1時間はこの4Pシーンにあてられている。さらに、実際の撮れ高はその三倍はある。
「いやあ、マジで過酷……キンタマ空っぽですよ」
 歌手兼男優として人気急上昇中の星乃源もげっそりしている。得意のダンスを踊る気力もないようだ。
「ほんとうに、美耶子ちゃんとの共演は命を削りますからね」
 銀縁めがねの位置を指で直しながら言ったのは、大御所の氷谷豊だ。大御所でありながら、濡れ場もスタンドマンを使わず、自分の「愛棒」でこなしきったのはさすがというべきか。
 おれはといえば、最終回という言葉に若干の寂寥感をおぼえていた。このドラマが終わることで、毎週、現場で美耶子と会って、セックスする、という生活は終わる。ここしばらくは美耶子に射精コントロールされているようなものだったので、いささか戸惑いもある。
「香里奈ちゃんのおとーさん」
 バスローブを着た美耶子がおれにハグしてくる。
「おとーさんのおかげで、すごくいいドラマになったよ、ありがと」
「あ、ああ」
 美耶子は、おれの娘・香里奈と同じ学校の生徒だ。一学年、香里奈の方が下だが――
 そのことを知らされてからは、仕事とはいえ美耶子とセックスすることに奇妙な昂ぶりを覚えるようになっていた。そのことを美耶子には気づかれないように努めてはいるのだが、美耶子には見抜かれている気がしてならない。
 美耶子がじっとおれの顔を見上げている。小さいから自然とそうなるのだが、こんなふうに抱き合っていると、娘を、香里奈をだっこしている気分になる。
「ふふ」
 猫のような美耶子のつり目が細められる。楽しんでいるような表情だ。
「すてきなおじさまに、お礼ね」
 背伸びしてちゅっと頬にキスしてくれる。もちろん、こちらがかがんでやらないと届かないのだが――
 これまで、もっと凄いことをしてきているのに、そんな子供っぽいキスがうれしく感じるのは不思議な感覚だ。
「じゃ、またね、香里奈ちゃんのおとーさん」
 言うなり、おれの腕をすり抜けて、氷谷豊、星乃野にも順々にハグとほっぺにチューをしていくのだった。
 終わったな……
 そう思った。仕事でまた美耶子とからむことはあるかもしれない。だが、これまでのような頻度ではないだろう。
 物足りないような、それでいてほっとしたような、感覚。
 だが、その予感は間違っていた。


 まさか。
 クランクアップの翌日、おれは宇多方美耶子にLINEで呼び出された。
 まるでドラマの展開と同じだ。
 これまで一度たりともプライベートで会ったことなどない。
 小学生の美耶子はキャスト同士の食事会や飲み会にも参加したこともない。
 それが――デートの誘い、とは。
 断ることもできた。
 断るべきだったろう。まともな大人なら。
 だが、おれは誘いに応じていた。レギュラーが終了して、ずっと押さえられていたスケジュールにぽっかりと空白ができてしまったということもあるが。
 それよりも、娘との面会を禁じられているおれにとって、娘と一つ違いの美耶子と出かけるというのは妙に心躍ることだったのだ。
 待ち合わせ場所は遊園地で――美耶子は白いワンピースにつば広帽子、おもちゃのようなサングラスをかけていた。いちおう変装のつもりだろうか。
 おれはくたびれたシャツにジャケット、デニムはあちこち破れている。
 いかにも――ああ、そうだな――親子みたいだ。それも、有責で離婚し、親権を失った父親が何ヶ月ぶりかに娘に会うかのような――
「ね、香里奈ちゃんのおとうさん――ってちょっと長いから、おとうさん、って呼んでいい?」
 美耶子にそう言われて、おれはうろたえた。
 そういえば、美耶子には両親がいない――と聞いたことがある。
 胸が痛んだ。
 と同時に、香里奈のことを思うと、ほかの少女におとうさんと呼ばれることに躊躇いも感じた。
「あと、周りの人に怪しまれても――でしょ?」
 それもそうだ。
「あたしのことは香里奈、だよ」
 ――たしかに、美耶子の名前を外で呼ぶのはまずいかも……
 そう思ったときには、もう美耶子のペースに巻き込まれていた。
 おれと美耶子はほんとうの親子のように手をつないでゲートをくぐった。


 美耶子はやはり天才だと思った。普通に遊園地を楽しんでいた。後ろめたさや躊躇いもなく、どこにでもいる子供のようで、だから、誰もそこにいるのが人気子役の宇多方美耶子とは気づかないのだ。
 多くの人々がおれと美耶子を見て、仲の良い親子だと認識していた。だが、実際はおれと美耶子は仕事の上でとはいえ、肉体関係のある男と女なのだった。
 美耶子といるとどうしても、交わったときのことを思い出してしまう。
 美耶子も同じだったのかもしれない。
 手をつなぐときも恋人つなぎをしてきたし、やたらと身体を寄せてくる。
 親子っぽく振る舞いながらも、戯れにおれの股間を触ってきたかと思えば、ワンピースのすそをさりげなくもちあげて、子供パンツを見せつけたり――美耶子の振る舞いはどんどん過激になっていった。
 二人乗りのライドでは、おおっぴらに抱きついてきた。
「おとうさん、こわいからだっこしててぇ」
 周囲には、同じように抱き合っている親子がいる。おれたち以外はみんなほんとうの父娘で、血縁関係ではあっても肉体関係ではないだろう。
「ね、キスして」
 美耶子がねだる。プライベートでは男優とつきあうことのないともっぱらの美耶子が――
 本物の親子に混じりながら――おれたちは舌をからませる。「娘」のパンツに手をつっこんで尻の肉をもみしだき、肛門を左右に広げる。いやらしい「娘」は扇情的に尻を突き上げ、パンツからこぼれた粘膜の華を周囲に見せつける。
 近くを通り過ぎた何組かの親子――その父親の目が剥かれるのを感じた。その後、その父親たちが自分の娘にどんなスキンシップを試みたか――それはわからない。
 望むらくは、世の父親たちの自制が保たれんことを――


 お化け屋敷にも入った。美耶子のリクエストだった。噂では美耶子は極度の恐がりと聞いていたから意外だった。
「おとうさん、手つないでてね」
 美耶子は本気で怖がっているようで声が震えていた。
 お化け屋敷のなかは真っ暗で、一歩先もわからないくらいだった。
「きゃっ」
 美耶子が声をあげて、手が離れた。つまずいたのか――
「美耶子――?」
 声をかけると、おれの手を小さな手がぎゅっと握ってきた。
「だいじょうぶか?」
 返事はないが、指にかかる力が増した。
 そのしっとりとした感触におれは――
 思わず少女を抱きしめていた。
 懐かしい匂いが鼻腔を満たした。お日様の匂いのする髪――
「香里奈――」
 その名前を呼んだ。
 おれの腕の中で少女の身体が震える。
 この感触は――懐かしさがこみあげる。
「おまえは――」
 言いかけて気づいた。魔法の時間はすぐに終わる。
 腕の中から、いとおしい感触が抜け落ちる。
 その空虚感に胸を突かれる。そして――
「おとうさん、こっちだよ?」
 お化け屋敷の出口から光がさしこみ、美耶子が手招きしていた。

つづく

うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと!(5)

2018/04/29 【男優のおしごと! 

 現場の声なきざわめきを感じる。幾度か感じたことがある。
 良い画が撮れているときの、奇妙な高揚感。
 カメラマンも、音響も、照明も――今は仕事がないはずの様々なスタッフたちさえ――凝視する。息をひそめる。
 それでいて、ざわざわする雰囲気。
 いま、それがある。
 おれは美耶子にしゃぶらせていた。
 腰を動かして、喉奥を突く。
 美耶子はそれを諾々と受け入れている。
 ハリウッドの超一流俳優とも絡んだ日本のトップ子役だ。その宇多方美耶子が、名も無い大部屋俳優のチンポをしゃぶっている。
 おれを上目遣いに見つめながら、おれの亀頭に舌をからめてくる。
 精液がせり上がってくる。
 まさか――おれが――
 香利奈じゃない。美耶子は香利奈とは似ていない。でも、その舌や口腔の感触は、想像のなかの香利奈のそれと恐ろしいほど一致していた。
 香利奈は九歳――美耶子は十歳だが小柄――ちょうど、口腔のサイズが同じだとでもいうのか……
 いずれにせよ、小学生女児にフェラチオされる体験は――普通の人生を送っていれば味わうことはない。
 おれは、もう普通じゃない――そうだろう、こんな体験、許されるはずがない。
 娘ほどの年頃の少女にペニスを吸いたてられ――娘を思い出して勃起して――射精に至ろうとしている。
「おじさん……出して……いっぱい……」
 ペニスから口をはなし――小さな手でしごき始める。
 亀頭の敏感な箇所に指をからめ、巧みにこすりたてる。
「っ……うっ!」
 思ったよりも早く導かれた。射精の瞬間が訪れる。
「おじさんっ!」
 美耶子が舌を伸ばし、亀頭を覆う。
 びゅっ! びゅびゅびゅ――びゅばっ!
 弾丸さながらに精液が飛び出し、美耶子の顔を汚す。美耶子はそれに構わず、亀頭をほおばり、喉奥に後半の射精を受け止めた。
 我ながら、たくさん出したと思う。
 射精がおさまったとき、美耶子の口腔内はおれが放ったもので満たされていた。
「はむ……んっ、んっ……んん」
 美耶子はそれを何とか飲み干したようだった。
「おじさんの精液……おいしかった……よ?」
 顔中をぶりっぶりのゼリー状の精液で汚し――唇の端から精液のよだれたらしながら微笑む美耶子――その顔が香利奈と重なって――おれは理性を失った。
「あっ!? やっ……むう……ん」
 美耶子を押し倒し、唇を奪った。おれの味がする美耶子の口腔を、舌で、存分に嬲った。
「はっ……あ……れろ……れろ」
 小さな舌を動かして答えてくる美耶子。その舌をまること吸い上げる。
 ぢゅるるるるるぅっ!
 娘と戯れにキスをした時に、いま舌を入れたらどんなだろう、と思わない父親がいるのか。
 娘とお風呂に入ったとき、まったいらな胸がいつか膨らむ時を想像しない父親がいるのか。
 娘のきよらな陰裂を見た時に、やはり女の形をしているのだな、と思わない父親がいるのか。
 もちろん、みんな誰だって、娘に対してそんなことは思わない。娘はただただ愛おしいだけで、一ミリ秒だって欲情が涌くはずがない。
 だから、小学生の娘と同じ年頃の少女に欲望を感じるはずがない――
 ――嘘だ。
 高校生の娘を持つ父親は、女子高生の脱ぎたて下着に興奮しないのか?
 中学生の娘を持つ父親は、女子中学生の膨らみかけおっぱいに興奮しないのか?
 それは、嘘なのだ。
 おれは美耶子の肌を唇で味わった。すべすべで触るだけで心地良い、子供の肌だ。日々成長しているからこそ、細胞レベルで若い。生命力に満ちている。
 乳首が小さすぎて不安になるが、舌先でつつくときちんと反応する。
「あんっ! ひゃあっ! お、おっぱい……気持ちいい――」
 掌を滑らせワレメを弄くる。無毛の小さなクレヴァス。そこはぴったり閉じているが、十分に濡れているので、指がつるんと飲み込まれる。
「はっ――あっ!」
 さすがに処女の演技をする余裕もないのか。それとも、処女でも、ここまで濡れれば痛みは感じないのか――
 はて――どこまでが演技なのだろう?
 もう、わからない。
 それでもギリギリ、カメラの位置はわきまえていた。クリトリスの包皮を剥き、深紅の真珠粒をあらわにすると、指で擦り、さらに舌で舐めあげる。しっかり撮れたはずだ。地上波でも、子役のクリトリスはしっかり映す。挿入はさすがに見せないようにごまかすが、それは大人のペニスが映り込むからだ。クリ責めなら、大人――おれが映り込んでいても問題ない。
「あひぃっ!? そこっ! そこ、すごいよぅ、おじさんっ! じ、自分でいじるのと、全然ちがうよぉっ!?」
 美耶子が、腰をひくっ、ひくっ、と振るわせる。膣口から愛液がこぼれ、クリも勃起して付け根を見せている。これがぜんぶテレビで流れるのだ。日本だけで何千万人もの視聴者が「性的ではない子供の肉体のありふれた一部」を見ながら、平静を装うのだ。
 さらに見せ場は続く。おれは美耶子の膣を広げる。十歳の少女の性器を開帳する。
 処女膜をカメラに、視聴者に、見せつける――もちろん実際にはもう美耶子に処女膜など残っているはずもないが――そこはCGなどで加工することになる。
 ――はずだったが。
「美耶子……おまえ……処女膜……あるじゃないか……」
 そこには濃いピンクの膜が――全体を覆うまでではないが――中央に穴を穿たれながらも――存在していた。
「ゆ、ゆび、自分での入れたことあるけど……それ以上はこわかったから……」
 美耶子が小動物のように身体を震わせながら言う。
 これはSFXの一種なのだろうが――リアルすぎる。
「おじさん……するの?」
「ああ……ここまで来たら、ちゃんと約束は守る」
 LINEで処女の捨て先を探していたのが美耶子だ。それを援交少女の「神」であるおれが買った。
 本来の芝居の流れにようやく――脱線はいろいろあったが――戻った。
 おれは再び勃起したペニスをゆっくり美耶子の性器に近づけていく。

10

 ここは見せ場だから、さまざまな角度からカメラが追ってくる。地上波では大人のペニスを映せないから、美耶子の表情やおれの背中越しのカットになる。ネット配信やビデオソフトの特典映像用には挿入シーンをしっかり映す。亀頭を美耶子の膣口に当て、じらすように擦りつける。
 クリトリスと鈴口をキスさせる。カウパーと愛液がからんで、透明な糸を引く。
「お、おじさぁん……」
 切なくなったのか、美耶子がおれの腕に縋ってくる。
「も……もう……がまんできないよ……してぇ……」
 脚本上でも美耶子は処女ながら性的に開発済みで、自分から男のペニスを求めてもおかしくはない。だが、これは、宇多方美耶子自身が演技をこえてセックスしたがっている、というのが本当のところだろう。
 だが、美耶子のその部分は子供サイズで、亀頭を潜らせようとしても半分くらいのところで肉の隘路に阻まれる。
 愛液でぬるんでいるのにもかかわらずだ。
「あっ……はぁっ」
 痛みを感じているような美耶子の吐息。
 どう見ても、処女膜を破られそうになっている少女にしか見えない。
「いいの……おじさん、いいの……美耶子の処女、奪ってぇ……」
 毎日のように、撮影でいろいろな男優とセックスしているはずの宇多方美耶子が――つい先ほど、リハーサルでも男優一人を廃人になるまで吸い尽くした宇多方美耶子が、処女を散らそうとしている。
 おれは実際に処女を破るときのように、躊躇なく、陰茎を奥に進めた。
 ビッという感触とともに、おれの生ペニスが美耶子の胎内に潜り込む。
 あっけなく膣奥まで届いた。本当に十歳の子供サイズの膣なのだ。あらためて実感する。おれは娘と同学年――小学四年生の少女とセックスしているのだ。
「ああああぅううううっ!」
 美耶子がおれにしがみついてくる。喪失の痛みと快楽がないまぜになった激情に押し流されて――涙を流している。
 結合部をカメラが接写する。
 おれは陰茎を抜き差しする。美耶子の愛液――白濁した本気汁に、破瓜の血が混ざっている。これもSFXで血糊の袋をしこんであったのだろうが、リアルだ。美耶子が子役として数限りなく本番をこなしてきていることを知っていてなお、少女の純潔が奪われた証に見えてしまう。
 視聴者もそう信じるだろう。たとえ、過去に宇多方美耶子の濡れ場シーンを見たことがあったとしても――役柄ごとに世界を作り出せるのが宇多方美耶子なのだ。
 それにしても――美耶子の生膣は最高だった。腰の動きを止められない。あり得ない狭さ、強烈な締め付け――かと思えば柔らかなヒダが亀頭を舐めしゃぶり、子宮口が吸いついてくる――錯覚かもしれないが――
 小学生でもこんなに濡れるのか、そして精子を求めるかのように子宮が降りてくるのか――
 おれは容赦なく美耶子の子宮を突き上げた。
 そのたびに美耶子は嗚咽混じりの苦鳴をあげる。
「うっ……ひぃっ……くぅっ」
 だが、その声に徐々に甘い響きが混ざり始める。
「っあ……あっあっあっ……はぅぅ」
 感じ始めているという演技だが、実際に美耶子が演技抜きにセックスを楽しんでいることがおれにはわかる。腰の動きが自ら刺激を求めるようにリズムを刻みはじめていた。
 そろそろか……
 おれは美耶子と繋がったまま、その小さな身体を抱き上げる。
 対面座位のかたちで、深く奥まで交わる。
「ああああっ! おじさん――奥に……っ」
 もちろん、届いている。
 おれのペニスの先端が子宮の入口をこじあけていく。
「あ……あぅ……あ……」
 美耶子がかすれ声をあげる。ふつうの十歳なら経験するはずのないボルチオファック。
 だが、美耶子ならばできるはずだ。
「うううっあっ! あっああああっ! おじさんのが、み、みやこの赤ちゃん部屋に……っ!」
「美耶子! いくぞ!」
 おれは美耶子の子宮を強引に突き上げていた。
 亀頭が子宮口に吸い付いて、ちゅっちゅ、ちゅっちゅとキスを続けている。
「あああっ! おくっ! ほんとのおくっ! そこだめぇ! おじさんっ、だめえぇ!」
 対面座位の形から、美耶子の細い身体を持ち上げ、尻を掲げさせる。結合部がよく映るように。
 肛門も大きく広げてやる。
 お茶の間のテレビにこれが大写しになるのだ。子供の肛門がいやらしいはずがないからな。それは性器ですらないのだから。
 結合部はさすがに地上波では画像処理されるが、ネットTVやビデオソフトではそれも解禁される。ただし、おとなのペニスは黒塗りになるが。それが有料ネットTVではすべてがオープンになるそうだ。
 十歳の少女のボルチオアクメを数千万人が見ることになるのだ。
「うううっ! あああああああっ!」
 美耶子の子宮口がおれを受け入れ、亀頭が巾着袋のような子宮内壁をこすりたてる。
「なっ! なあああああああっ!」
 白目をむく美耶子。
 悲鳴のような――悲鳴か。おれはすかさず美耶子の唇をふさぎ、舌をからめる。
「んんんっ! んのおおおおおおっ!」
 首を小刻みに振ってのがれようとする美耶子をおれは逃がさず、あえてモノのように扱う。実物大の少女オナホールだ。
 美耶子の尻肉をつかんで、上下に激しく揺する。おれのペニスが子宮内で暴れるように。
「んひーっ、むひぃぃいいい! もほおお、むひっむひぃいいい!」
 美耶子の身体が痙攣する。断続的に子宮で絶頂を迎えているのだ。
 じょぴっ、じょぴっ、と小便も漏らしている。
 そろそろか、これ以上はいくら宇多方美耶子でも厳しかろう――
 おれはフィニッシュへの動きに転換しようとした。すると、耳元で――
(だめ――最後はバックで)
 美耶子がささやいた。おれにしか聞こえないように。白目をむいたアクメ顔をさらしながら――
 これもまだ、演技のうちなのか――
 おれは空恐ろしさを感じながら、美耶子をよつんばいにした。
 バックから子供を犯す。
 おれの十八センチのペニスが美耶子の膣と子宮を貫いて、奥まで串刺しにする。
 両の掌で小さな桃尻を左右に割って、肛門もめいっぱい広げてやる。
 カメラは結合部を接写し、飛び散る本気汁の水滴を画面に受けている。別のカメラは美耶子の顔をアップで撮り、引きのカメラは冷徹にベッド上でセックスする中年男と少女を映しつづけている。
「あああああっ! あひっ! ひぅっ! お、おじさんっ……! 美耶子、もうだめ、だめっ! は、初めてのセックスでおまんこっ! おまんこいっちゃうよぉおおおっ!」
 美耶子のあえぎ声が切迫し、淫語がだだもれになる。
「おじさんのちんぽっ! きもちぃっ! きもちいいいいっ! おまんこ全部、とろけりゅよぉおおおおっ!」
 おれも限界だ。ピストン運動を小刻みに速く、強く、子宮の中にペニスをたたきつける。
「出すぞ! 孕めっ! 美耶子っ! おれの子供を――妊娠しろっ!」
「はひっ! はひっ! にんしんすりゅっ! みやこ、十歳で妊娠するよぉおおおっ!」
 少女の受精宣言におれのたがが外れ、生殖本能のスイッチが入る。
 おれの睾丸が作り出した億単位の精子の固まりが尿道を駆けのぼり、爆発的な噴出を美耶子の子宮内壁にぶちあてる。
「おおおおっ!」
 どびゅっ! どぅぱっ! びゅるびゅるびゅるっ!
 小さな小さな子袋だ。生まれてから十年しか経過していない――まだ繁殖期が訪れていない生殖器官に、おれは激しく動き回る精虫をなみなみと注ぎ込む。子宮が杯だとしたら、もう酒は満ちあふれて、こぼれおちている。
「あっ! あああっ! すごいっ! あつっ……いのが……お腹のなかで――弾けてるよぉっ!」
 子宮に直に射精している。子宮壁に亀頭を押しつけて、粘膜に精液を直掛けしているのだ。おれの射精は小便並みに長い。たっぷり一分くらいかけて出し切った。
 美耶子は白目を剥いている。半失神状態だ。さしものトップ子役もイキすぎてしまったろうか。
 ペニスを抜くと、膣口から大量の精液がこぼれだした。ひくん、美耶子の尻が動く。後から後から精液はあふれ続けた――
「カーットッ!」
 桃山園がカメラを止める。
「よかったんじゃあーい? これでいきましょ」
 その声に美耶子が反応し、むくっと上体を起こした。女性のADがすかさずタオルをかけてやる。
「はひー、死ぬかと思った……おじさん、はげしすぎだよぉ……でも、いいシーンになったみたいだよ」
 にこっと笑いかけてくる。八重歯がのぞく。なんだ、この子。いきまくっていたのはやはり演技だったのか?
「ううん、すっごくよかったよ、何度か気絶しちゃった」
 てへぺろ。
「美耶子ぉ、シャワーにいってねぇ――三十分後、学校の先生に犯されるシーンだから、準備よろ!」
 桃山園が次のシーンのための指示出しをする。おいおい、この後も濡れ場だって……? しかも男優を替えて――ハードすぎるぞ。
 しかし美耶子は屈託なく笑顔のままで立ち上がる。
「はーい! シャワーだ、シャワー!」
 と。美耶子は、唖然としているおれを振り返る。
「じゃあね、香利奈ちゃんのお父さん。また撮影しようね! たぶんおじさん、レギュラーになるから、毎週会えるね!」
「お、おい――娘の名前をなんで……」
 思わず問いかけたおれに美耶子は、にひっと子供っぽい笑みを浮かべて答えた。
「あれ? 知らなかった? 香里奈ちゃんとあたし、同じ小学校なんだよ? 帰りの会とかもいっしょだよ?」


... エピローグ

 そんなわけで、おれは「LINEで始まる恋だから」のレギュラーになってしまった。
 第一回の放送の直後、かつてないくらいにおれのスマホは鳴りつづけ、メール着信が途切れることはなかった。その大半は祝福とやっかみの連絡で、残りは仕事のオファーだった。
 人気子役・宇多方美耶子の相手役というのは、それだけでバリューがあるらしい。さまざまな子役相手の仕事の依頼が殺到した。
 おれの生活は一変した。
 週に二日はレギュラードラマの撮影だ。二日とも、あるいは一日だけの時もあるが、美耶子との絡みの撮影をする。どうもおれの役が美耶子を性的に開発する立場らしく、毎回、異なる趣向の撮影に挑むことになった。
 アナルセックスは初体験だったが、美耶子のアナルは性器と同等かそれ以上の名器であること思い知らされた。
 ソフトSMも、野外姦も(代々木公園でエキストラの面前でガチセックスさせられた)、ロリテレビでさえもオンエアできないマニアックなことも、おかげさまで経験させてもらった。
 美耶子との撮影に影響が出ない範囲で、ほかの子役とも絡んだ。
 男優をしていなければセックスの相手をするはずのない、JS一年生からJC一年生まで、一通りこなすことになった。
 子役の世界も厳しいものだ、と思い知ったのは、相手をつとめたJCの子役がピルを飲んでいることを知ったときだ。
 子役の濡れ場は生中だしが基本だ。子供とセックスしてもそれは生殖行為ではない、というのが建前だから、当然男優は出し放題だ。むしろ避妊具を使うと、子供との「性行為」を認めたことになってしまう。それは違法行為だ。
 だが、子役といっても発育状況はいろいろだから、生理が始まってしまう子もいる。そうなると通常は引退だが、なんとか子役業界に残りたい子はピルを飲み始めるのだ。
 芸能界に近い医者は、子役へのピルを処方をためらわない。
 あと、業界の闇を感じたのは、子役のママさんからの猛烈アタックだ。
 トップ子役の美耶子と仕事で絡んでいるおれは、どうやら彼女たちにとっては無視できない存在らしい。娘のために、「なんとかして口利きを」と自分の身体を投げ出すのもいとわないのだ。
 彼女たちは二十代後半から三十代、さすがは子役のママだけあって、ふつうに女優レベルの美女が多い。むしろおれにとってはストライクゾーンだ。
 とはいえ、仕事で週三は美耶子とセックス、ほかの日もたいてい子役とセックスしなければならない。プライベートでセックスする余裕はなくなった。精液の量や濃さが仕事の評価に直結するのだ。
 ――どうしてこうなった?

うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと!(4)

2018/04/28 【男優のおしごと! 

「時間が無いから、もう一気に流れで撮っちゃうからね。リハなしのぶっつけよ」
 もとの脚本だと、ホテルに入った美耶子と援交おじさんは、まずシャワーを浴びながらフェラで顔射、ベッドに移動して本番中出し、という形になっていたが、ホテルに入り次第すぐにカラミが始まるというように変更された。先に撮った男優には申し訳ないが、シャワーシーンのOKテイクもボツになったわけだ。まあ、設定も役者も変わってしまったのだから仕方ない。
 緊張感がものすごい。
 スタッフもピリピリしている。濡れ場は一度撮り出すと止められない。一気呵成に撮りきらないと活きた絵にならない。それは殺陣に似ていると思う。斬られ役としてならかなり場数を踏んでいるおれだ。うまくいった殺陣には必ず流れがあった。斬る者と斬られる者の間の呼吸が通う、流れが。
 さらにいえば、いきなり男優が変わり、脚本にも手が入った。その男優にしても名もない大部屋俳優だ。上手くいく要素が何ひとつとしてない。
 おれをさかんに口説いていたADにしてから、ずっと顔を青くしている。
「いっちゃん、頼むよ、まじで……おれのクビかかってるんで……」
「そんなこといわれてもなー、おれなんかハメられたくさいし。最初っからこのために呼ばれたっぽいし」
 別にこのADに含むところはないが、まあなんとなく気にくわなかったのでちょっと虐めてみる。
「いやっいやいや、まじで、いっちゃんのこと、見学に連れてくれば? って言われただけだし、こんな展開になるなんて――」
「やっぱり宇多方美耶子か」
「いや! いやいやいや!」
 この慌て振りは図星だろうな。もともとこのAD氏は悪人ではないし、むしろ、おれにとってはちょこちょこ仕事を紹介してくれる恩人であるとさえ思っている。
「もういいよ、気にしなくていいよ。てゆうか、おれのこと売り込んでてくれたんだろ、ありがとな」
「はあ……マジよろしく、いっちゃん」
 胸をなで下ろしながらAD氏は去っていく。安心したようだ。
 ただ、わからない。なんでおれなんだ? それに、香利奈しか知らないはずのLINEのIDを美耶子が知っていた訳は?
 いずれにせよ、この仕事をやり遂げてから、訊くしかないようだ。


 切迫した空気の中で撮影が始まった。脚本B案っていうのはいちおう目を通したが、正直そのままではなんとも、という出来だった。そりゃあ、途中で放棄されたもので、読み合わせもされていないレベルだ。ストーリーラインは頭に入れた上で、出たとこ勝負だ。もともとちょい役専門で、覚えなきゃいけない長さのセリフなんて滅多にもらったことがない。
「はい、スタート! よろしくねえ、お二人さん」
 桃山園がスタートさせる。
 おれと美耶子は親子のように手をつないで部屋に入った。美耶子は学校の制服(名門小学校という設定だ)、おれは背広姿だ。おれのサイズに合う衣装があるかちょっと心配だったが、問題なかった。その気になれば魚屋にもなれたが、設定にしたがって会社役員らしいダークスーツにした。
 大きなベッドを見て、美耶子が固まる。おれの放つ緊張感がそうさせたのだ。
 きっと美耶子のプランでは、明るく誘うパターンもあったはずだ。あっけらかんとLINEで男を誘い、軽い気持ちで処女を散らす、そんなパターンも。
 だが、おれは美耶子の手を強く握って、まるで拘束するように離さなかった。そのムードが美耶子に「罪悪感をともないながらここに来た」心情に醸し出させたのだ。
「悪い子だ」
 おれは言った。吐き捨てるように。
「こんなところまで、悪い大人と来るなんて――きみは悪い子だ」
「ご、ごめんさい――で、でも」
 美耶子はおれの目を見て、悟ったようだ。聡いな。脚本ではここから、行為に入るまでのセリフのやりとりがある。さきほでのリハでもあった。他愛ない会話だ。だが、そこの会話がここの芝居では一番大事なのだと、美耶子にも伝わったようだ。
「座りなさい、そこに」
 美耶子を突き放すように、ベッドの方に押し出した。よろけながら、美耶子はベッドに身体を預けた。腰から下の力が抜けてしまったかのような――
「なぜ、あんなことをしたんだ? きみは自分がしたことをわかっているのか?」
 美耶子の前に立ち、おれはおびえた少女を見下ろした。
「それは――」
「自分を大事にしろ、だとか、そういうことはおれは言わない」
「え?」
 言わないの?とでも言いたげだな。言わねーよ。
「どうせ、おれが相手を名乗り出ずとも、他のだれかで間に合わせたんだろう。おまえの処女などその程度のものだ。どうせ誰かのものになる。それをなしがしかのカネにかえたいならば、それはおまえの自由だ」
 美耶子は思考が追いつかないのか、口をぱくぱくさせた。大人に謎論理でやりこめられるJSを演じているのもかもしれないが――どっちだろう?
「おまえの価値はなんだ、美耶子? 子供であることか? 幼くて、可愛らしくて、無害で、無益で、無能であることか? 大人の愛玩物であることか? LINEで男を漁る行為じたい、そのすべてを肯定しているんだろう? 違うか?」
 おれは札入れから万札をつかみ出してばらまいた。もちろん小道具で、本来ならコトが終わった後、美耶子の寝顔の横にカネを置くという演出だったが、いかにも手続きっぽいと感じたので順番を変えてやった。
「ほうら、おまえの純潔とやらの対価はもう支払ってやったぞ。もうお前は目的を果たした。そうだろう? カネを拾って、とっととおうちに帰るんだな」
 一気にやりこめてやった。美耶子の行動原理を否定してやった。次は美耶子のターンだ。
 いっておくが、これらのセリフは100%アドリブというわけじゃない。脚本B案のラインにおおまかには沿っている。本当はもっと思いやりのありそうな、父親のような包容力を感じさせるセリフを吐き、そのままセックスするという流れだったが、それを裏返したのだ。この男は子供を憎悪し、同時に恐れている。自分の子供をうまく愛せなかったトラウマがあるからだ。そんなやつに大人な包容力を使いこなせるはずがない。優しい言葉を吐きながら性欲を満たすなんて器用な真似はできない。
 美耶子はおれをじっと見上げていた。その瞳には理解の色が浮かんでいた。
 彼女は言った。
「美耶子はね、お父さんが欲しかったの――それだけなの。お父さんになってくれそうなひとなら、たぶん誰でもよかったんだと思う……だから、ね?」
 美耶子は制服の前ボタンを外し、スカートを脱いだ。
 下着姿になる。
「美耶子をおじさんの娘に……してほしいの」
「ちょっと、待て、違う……おれは、きみにそういうことをさせたかったんじゃない」
 おれはうろたえた。いきなり王手を打ち込まれたような気分だ。だが、このうろたえている感じは演技としても間違いじゃない。だが――
 娘の顔が目の前に浮かんで――香利奈の顔が――
 言いたくない。言えない。だがこれは仕事で――作り事で――でも、自分にしかできないことで――ああ――
「娘に……? いいだろう、じゃあ、まずはしゃぶってもらおうか」


 脚本B案で美耶子を買った男――永瀬(どういうわけかおれと同じ名前をつけてやがった)は、娘と近親相姦をしていた挙句、妻から三行半をつきつけられ、娘とも会えなくなった。それ以来、LINEで知り合った小学生女児の「神」になっては、金品を与えていた。女児と肉体関係は持ったことはなかった。それまでは。
 そういう設定がありながら、ホテルに入ってスムーズにセックスを始めたら変だろう?
 お互い凶器のような言葉を投げつけあい、その断絶を埋めるために行為に及ぶ、というほうが自然だ。事前の打ち合わせの時間はなかったが、美耶子はうまくやってくれた。だが、少々うまくやりすぎたようだ。
 リアルにおれのトラウマが励起してしまったのだ。いっておくが、おれは香利奈と近親相姦などしていない。いっしょにお風呂にはいることはあったが、小さい時だけだ。
 だが、娘と同年代の少女を相手にすることを改めて自覚してしまった。
 つまり――
「勃たないわねえ」
 桃山園があきれたように呟くのを感じた。
 スタッフの失望感もだ。AD氏の顔はたぶん蒼白を超えているだろう。
 はぷっ、ちゃぷ……れろ、れろ……
 美耶子がおれのをくわえて舌を使っている。処女という設定から、最初はわざと拙くしていたようだが、おれのが大きくならないもので、テクニックを使い始めていた。
 亀頭のくびれを唇で締めつけ、鈴口を舌でたんねんにねぶったり、竿の裏筋を舐め上げたり、睾丸をくちにふくんで舌でマッサージしたり――風俗嬢も真っ青のテクニックを駆使してくれた。
 だが、半立ち以上にはどうしてもなってくれない。おれはロリコンではないが、刺激にはきちんと反応する。中折れしたことはかつて一度もない。それが――
 ちゅぽん、と美耶子がペニスから口を離す。いよいよ諦めたか――また、大口叩いておいてこれはない。
「ごめんね……美耶子、へたくそで……おじさんのこと気持ち良くさせてあげられない」
 美耶子は芝居を続けている。
 おれも最後まで応えないと――
「いや、いいんだ。おれこそすまない。きみにあんなことを言っておきながら――」
「おじさん、教えて……娘さんがどんなふうにやってたか――わたしに教えて?」
「なっ――」
 落ち着け、美耶子は設定に沿って芝居を広げているだけだ。ドラマの中の永瀬は娘と近親相姦をしていた。おれじゃない。役名としての永瀬がだ。だから、永瀬を気持ち良くしたい美耶子が娘のことを訊くのは不自然じゃない。だが――
「ね、娘さんの名前は? わたしと同い年くらいなんでしょ?」
 まずい。何か答えないと。演技勝負を挑んだのはこちらだ。アドリブを放り込んで美耶子の実力を試す真似もした。このまま押し切られるわけにはいかない。おれは――
「香利奈……きみと同じ学年で、四年生だよ」
 ああ、言ってしまった。香利奈の名前を。虚構の中に娘を放り込んでしまった。
「かりなちゃんだね? すっごく可愛い名前。きっと可愛い子だよね? たぶんわたしよりもずっと――」
「ああ、そうだ。香利奈は君よりずっと可愛い。君より小さくて肩も細くて――唇も――あっ」
 美耶子がおれのペニスをふたたび口に含み、舌をからめてくる。
「はぷっ、かりなちゃんが、しゃぷっ、したみたいに、れろ……やってみるね……」
 唾液を口腔いっぱいにためて、これまで以上に奥まで吸い込む。ばかな。
「ちがう……香利奈はそんなこと……」
 本当の香利奈はおれのチンポをしゃぶったりはしていない。いっしょにお風呂に入ったとき、おれの股間にぶらさがっているものを羨ましがったことはある。「ねーねー、パパ、どうして香利奈にはおちんちんがないの?」と訊いてきて困らされたことはある。男と女の違いを教えるため、お風呂に一緒に入ったとき、香利奈のワレメを開いたことが一度だけ。それはほんとうに一度だけだ。クリトリスが一人前に勃起していて、膣口が少し開いて処女膜のようなものが見えて、慌ててやめたことがある。「ママには内緒な」「うん、ナイショナイショ」と指切りげんまんをして――だが、離婚の際のおれの所業のひとつに「娘への性的虐待」が挙げられていて――。
「香利奈はもっとへたくそだったよ。すぐ、歯をあててしまって――」
「ほう? ほんはふうひ?」
 美耶子が八重歯を当てて来る。痛い。だが、その痛みが記憶を呼び起こす。香利奈の笑顔。永久歯が生えてきて、前歯が抜けた後のファニーな笑顔。その奥に赤い舌が蠢いて――ばかな。
 香利奈の口腔――そこにおれはペニスを――たった一度も想像しなかったと言えるだろうか?
 お風呂にいっしょに入るたび、香利奈のワレメやアヌスを見て、何も妄想しなかったと言えるだろうか?
 一度だけだ――本当に一度だけだったはずだ、現実には。だが、想像の世界では――?
 なんて、ことだ。
「おじさん……すごくなったよ。かりなちゃんのこと、思い出したんだね」
 おれは屹立していた。赤黒い肉棒が少女の肉体を求めて、そそり立っていた。

つづく

うたかた外伝シリーズ 男優のおしごと! (3)

2018/02/25 【日記

「はーい、じゃ、美耶子さん、シャワーはいりまーす」
 ADが休憩入りを告げて、メイク係の女性がバスローブを美耶子に着せる。マネージャーらしい男も側に行ってなにかしら声をかけている。あっ、頭をナデナデした。美耶子がネコみたいな笑顔になった。あれが素の宇多方美耶子なのだろうな。
 その時、偶然だろうか、美耶子とおれの目が合った。不思議そうに少し首をかしげる。そうだろう。濡れ場の撮影は部外者立ち入り禁止だ。スタッフも気心の知れた者に限られる。桃山園組は特にそうだと聞く。おれを現場に入れてくれたADは忙しく立ち働いているようで、あいにく近くにはいない。
 美耶子は興味深そうにおれを眺めて、マネージャーとおぼしき男性――かなり若い男だ――に何かささやいた。なんだろう。怒ってはいないようだが。
 もちろん、通行人Aであるおれのような下っ端役者と主演女優の宇多方美耶子に面識や接点があるわけもない。
 美耶子はそれ以上おれには注意を向けず、マネージャー風の男と手をつないでスタジオを出て行った。その後ろ姿だけだと、引率の先生に手を引かれている小学生にしか見えなかった。
 と、肩を叩かれた。
 振り返ると知り合いのADだった。
「どうだった、いっちゃん」
「ああ、どうも……すごい迫力だったな。リハであれかよ」
 正直な感想だった。これまで、このADとは酒の席などで子役の演技論を戦わせたことがあって、その際に『いや、宇多方美耶子は別格だから、すごいから』とこのADは主張していたのだ。それに対しておれはといえば、子役なんて、とせせら笑っていたのだが――
「だろ? いっちゃんならわかってくれると思った。いやー、人によってはさ、子供にAVまがいのことをさせてるだけだろって批判するだけだからな。そのくせ、子役の演技にチンポをギンギンにさせてるんだ。教育関係者とか評論家とかな」
 まあ、AVとやってることが変わらないという意見にはうなずかざるを得ないが、だが、セックスだって重要な芸術のテーマであって、それを扱った小説や映画、演劇には数え切れないほど名作がある。少なくとも、おれは濡れ場を低いものとは見ない。自分も役者として、そういった仕事があれば必死にやってきた。もっとも、子供相手というのは、どうしても親目線になってしまい難しいのだが。
「でも、なんでおれを現場に入れてくれたんだ? 子供相手の濡れ場はできないってことは言ってあるだろ?」
 ADは肩をすくめた。
「さあ? おれだってわからんさ。お姫さまの指名だったからな」
「お姫さま? 指名? いったいなんのことだ?」
 言いつつ、おれは、さっき美耶子と目が合ったことを思いだした。いやいやいや。美耶子が何らかの理由でおれのことを知っていて、現場を見学するように仕向けた――なんてことがあるわけがない。
「なあ、それって――」
「あ、わりい。この後本番の撮影でな。いそがしーんよ。いっちゃん、今日は時間あるだろ? よかったら、本番まで見ていってよ。終わったらメシいこうぜ、おごるから」
 軽いノリでいなされた。正直、食事の誘いは魅力的だ。「通行人A」のギャラなんてお子供の小遣いレベルだ。食うや食わずの生活をしている身としてはタダ飯ほどありがたいものはない。
 まあ、美耶子の演技にはかなり感銘を受けたし、あの男優にしても、間の悪さはあったとしても、少女の肉体への執着といったものはよく出ていた、と思う。脚本レベルでベストかと言われると首をかしげるところはあるが――ヒロインが処女を捧げる相手として単なるロリコン援交おやじでは格が足りなくはないだろうか――と思わなくもない。まあ、だが、それも含めて作品だからな。
 本番の撮影のためにてきぱきとセットが整えられていく。ベッドのシーツは取り替えられ、小道具が設置される。おそらくは美耶子が脱ぎ散らかした、という設定なのだろう、子供ものの服や靴下が配置される。適当にまくのではなく、もちろん、美耶子の行動に照らし合わせて不自然ではないように置かれていくのだ。
 そして、時間が訪れた。
「美耶子さん入りまーす!」
 再び登場だ。シャワーを浴び、おそらくは膣内も洗浄して、全身さっぱりとしたにちがいない。
 今度は本番設定のため、バスローブではなく下着姿だ。子供っぽさを強調するためか、キャラクター入りのショーツにおへそが見える長さのタンクトップ。小学四年生、十歳の少女であることがそれだけで伝わってきて、このシチュエーションが――ラブホテルの一室であることが――ひどく淫靡に感じらっれる。
 また目が合った。美耶子は今度ははっきりと微笑んで――ネコのような素の笑顔ではなく、女優としての抑制のきいた笑顔で――小さく手を振ってくれた。「あ、さっきの人だ、やっほー」みたいな感じか。
 もちろんおれは手を振り返すことなく、ほほえみもせず、部外者ですがスミマセン、の意志をこめて目礼した。美耶子は特に気にしたふうもなく、メイク係に髪や化粧の状態を確認してもらっていた。
 しかし、そこで問題が発生した。
「なんですって!? もうできないぃ?」
 桃山園の声。スタジオ全体に響くような怒声だ。
「いや……できます……できますけど……たぶんもう精液出ないです……」
 消え入りそうな声で答えたのはさっきの男優だ。シャワーを浴びてバスローブ姿だが、リハ前とは打って変わってしょぼしょぼになっている。
 スタジオの隅で、男優を取り囲むように、桃山園、知り合いのAD、そして美耶子のマネージャー風の男が、強めの声で言い合いをしているようだ。
 こういった雰囲気には慣れっこなのか、他のスタッフの動きは変わらない。粛々と撮影準備を続けている。美耶子も椅子に腰かけて、メイクの女性に髪をくしけずってもらっている。平気なものだ。
「あんたねえ、若いんだから、出ないってこたないでしょ?」
 桃山園が男優を責め立てる。
「さっき、ものすごい量でちゃって、キンタマ軽くなった感じして――美耶子ちゃん相手だったら絶対立ちますけど、精液は――」
 男優の声はいかにも自信なさそうだ。
「AD! あんた出演者の射精管理くらいできないの? オナ禁させてたんでしょ」
 桃山園の怒声は今度はADに降りかかった。
「いや、マジで、そう言いましたよ――言ったよね、ねえ」
 しどろもどろなADの声。
「すみません……美耶子ちゃんとの撮影かと思ったら、もうガマンできなくて、昨夜――でも、ほんとなら大丈夫なんです、美耶子ちゃんネタに一日五回くらいオナニーしてもドバドバ出るんで」
 男優の声はさらにしどろもどろだ。
「だったら、やりなさいよ! 第一話の大事なシーンなのよ! 処女喪失なのよ? ちゃんと特効で赤いのが中出し精液に混ざるようにしてるのよ? それがうっすいうっすい水みたいな精液で映えると思ってんの?」
 桃山園の怒りはとどまるところを知らない。
「あーっもういいわ! 代役! 代役! 大学生! あんたやんなさいよ!」
 桃山園に指名されたのは、マネージャー風の男だった。学生だったのか、まだ。
 大学生の声は聞こえなかったが、どうやら、今日は別のスタンドの仕事が入ってて、駄目なようだ。契約社会だからな。スタンドの仕事が入っていたら、勝手な射精はできない。精液の量や質も演出プランのうちだ。いま桃山園がキレているのもそれが理由だ。
「あー、じゃっ、AD! あんたは? あんたも美耶子とは何回もヤッてるでしょ?」
 へえ、そうなのか……意外だな。あのADは美耶子を役者として崇拝している感じだったが――むしろ、濡れ場で絡んだ経験があったからこそあそこまで心服しているのかもしれない。
「いやぁ、こんなことになるとは思わなかったんで……昨日ギャルナンパしてホテルに行っちゃってまして……」
「あんたアホ!? 現場に雑菌持ち込む気!? マジ殺すわよ!」
 桃山園の怒りがヒートアップする。ボカボカ音がするのは持っていたメガホンでADの頭をどついているからだ。
 そういえば聞いたことがある。子役と絡む演技をする役者は厳重な性病チェックや健康診断を義務づけられると。プライベートな性行為にもさまざまな制約が課せられるという話もある。
 子供とセックスすることを仕事にしている連中のほうが、下半身の衛生度や倫理度が高いというのは皮肉なものだ。おれのように女房に逃げられ、女を買うカネもないような底辺の人間より、上等かもしれない――
「もうしかたない! あたしがヤルわ!」
 結論が出たようだ。桃山園総監督自ら出馬か。なにしろ業界で「最もたくさん少女とセックスした男」と呼ばれる男だ。ギネスブックに載るかもしれないという話さえある。
「ももちー、それムリだと思うよー」
 ひまなのかスマホをいじりながら美耶子が声をあげた。
「今日、台本あわせ一緒にしたときに美耶子とシタでしょー。三発目のときはもう、水多めのカルピスみたいだったじゃん」
「そ、そうだったわーっ! 脚本チェックしてたらムラムラして、つい……」
 鈍い音がした、どうやらマネージャー風の大学生とやらが桃山園をグーで殴ったらしい。
 協定違反だとか、撮影をともなわない行為は違法だとか、おれだって我慢してるのに、とかいろいろ聞こえてきたような気がする。
「……と、ともかく、たっぷり出せて、今回の役に見合う男優を手配しなきゃ。今日このシーンを撮らないと放映に間に合わなくなっちゃう!」
「い、今からですか!? さすがにそれは――」
 ADが困り果てた声を出し、それからこっちを見た。たしかにグギギギと首が回ってこっちを見た。
「――なんとかなりそうです!」


「だから、それはできないと言ったろ」
 おれは、手を合わせてくるADから目を背けた。
「そこをなんとか! いっちゃん! いっちゃんさま! なんでも言うこときくから!」
 ADも必死になるのはわかる。役者の管理はADの仕事でもある。テンパリやすい役者の性格を見抜けず、リハーサルでの本番行為を見過ごしたのも彼のミスだ。
 それでも、やはりできないものはできない。宇多方美耶子はおれの娘よりひとつ上だが、たぶん学年は同じだ。娘の同級生と濡れ場を演じることはできない。
「もう帰るよ。誘ってくれたのに、悪いな」
 このADとのつきあいもこれで終わるかもしれない。通行人Aレベルとはいえ、仕事を回してくれる大切な友人だったが。おれの役者人生もいよいよ終わりかもしれない。
 おれはセットに背を向けて、歩きかけた。
 その行く手に、小さな人影がいた。
 腕組みをして、難しい顔をしている――女優――宇多方美耶子だ。
 まるで通せんぼしているようじゃないか。
「おじさま――永瀬のおじさま、お逃げになりますの?」
 挑戦的な物言いだ。
「逃げる? おれが――?」
 反射的にムッとした感情が、つい漏れてしまう。
「そうですわ。おじさまは役者でしょ? オファーがあったら、その役をモノするのが役者ではなくて?」
 ツンとして、それでいて艶やかに、美耶子はおれに言葉を投げつけてきた。
 これはどんなキャラだ? 女王さまキャラ? これも演技なのだろうが――
「悪いが、おれにはロリコンの役なんてできないな。おれにはあんたくらいの娘がいてね――あんたと濡れ場なんてムリだ」
「えっ!? 本当にお父さんですの?」
 美耶子は目を丸くして(ほんとうに驚いているかどうかわかったものじゃないが)おれの顔を見直した。しげしげと、舐めまわすように――
 それから、ふふ、と微笑む。おいおい、ほんとうにお姫さまっぽい、偉そうな笑い方だぞ。これが演技ならたいしたものだ。
「ももちー! ちょっと良いかしら!?」
 少し離れた場所にいる桃山園に美耶子はお姫様モードで声をかける。
「はっ、はいぃ? な、なんでございましょうか、美耶子さま?」
 このモードには桃山園も不慣れなのか、素っ頓狂な声をあげる。ついでに敬語にもなっている。
「台本の読み合わせをしたとき、おじさんのキャラクター、ふたつ案があったでしょう?」
 美耶子はおれから視線を外さず、挑みかかるように言葉を続ける。
「A案がリハでやったやつ――ロリコンおじさんのパターン。正直イマイチだと思ってた……」
 だが、少女大好き男優を起用するなら正解だ。リハで失敗したものの、あの美耶子の肉体への執着は凄味さえあった。
「B案は――美耶子と同い年の女の子がいて――その子と離ればなれになっちゃったお父さん――だったわね?」
 な、んだと?
 おれの視覚がクラっとした。
「そうよぉ、もともとそっちの案で行くつもりでキャスティングしてたけど、間に合わなかったから、第一話の援交おじさんは一話っきりの役にしたのよね。B案だったら、主要キャラでお話にからむから、レギュラーにしてたと思うけど」
 脳天気な桃山園の声。
「B案の援交おじさんはね、離婚しちゃって、可愛がってた娘さんに会えなくなって、やけになったのもあって、美耶子の誘いにのっちゃうんだけど、葛藤があるのよねー、父として、男として。それをぶっちぎって美耶子を抱いて、そこからのめりこんでいくの。難しい役どころよねー。いないわ、正直、そんなのができる役者」
 だから、精液タンクって評判のあんたを起用してやったのにキイイイイイ、とかいう甲高い声と、ぐええええという首を絞められていそうな声が聞こえてきたが、正直そのあたりはもうどうでもよくなっていた。
 どういうことなのだ、これは?
「この役はどう? 演じてみませんか? 永瀬のおじさま?」
 美耶子がおれを見据える。挑んできている――煽ってきている――誘ってきている――子供のくせに。
 おれのポケットで携帯が震える。
「LINEじゃありませんこと?」
 美耶子が言う。電話なら出るつもりはなかったが、LINEだと? 仕事関係は電話かメールにしている。LINEなんてものはおれには似合わない。そう思っていたが、ただ一人だけ、IDを交換した相手がいる。
「香利奈!?」
 離れて暮らす娘――連絡さえできない娘――LINEだけは、「ママにはないしょ」として知らせてくれた――
 スマホを取り出し、画面を確認すると、送信者は――
『美耶子だよー。小学四年生、十歳、処女です(はあと) 優しいパパみたいなおじさま、どうか美耶子と遊んでね(はあと×3)』
 スマホの画面をつきつけるようにして、宇多方美耶子が笑っている。
 おれは、このドラマの脚本に――美耶子が改変したバージョンの脚本に――どうやら巻き込まれてしまったようだ。
 これが、トップ子役、宇多方美耶子か。
 作品の危機を救うために、現場の空気を支配し、さらには脚本のレベルを上げながら、嵌まらない最後のピース(役者)を口説き落とす。
 控えめに言ってバケモンだ。それがたった十歳というんだから、なおさらだ。
 役者魂を揺さぶられずにはいられない。やってやろうじゃないか。
「脚本をくれ。B案ってのを――」
 おれは答えていた。
「あっ、永瀬のおじさま、やってくれる? やたー! 」
 美耶子が表情を崩し、バンザイする。
「うれしー! これで撮影できるー!」
 さっきまでのお姫さまキャラはどこ行った? まったく油断ならないガキだ。
 くるんと回って、美耶子はうやうやしくお辞儀をする。お姫さまキャラが一瞬にして舞い戻る。
「おじさま、それでは素敵な撮影を――演じあいをいたしましょう――まあ、するのはエッチなんですけどね、あはっ」

つづく


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