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絶対破廉恥ルドレン 2nd Sex ザ・ハウンド応答せよ act.2  

カテゴリ:絶対可憐チルドレン

「なに、この匂い……キモチわるい」

 異様な臭気に初音が混乱する。さまざまな種類の体液や分泌物の匂い。尿、大便、精液、バルトリン腺液、膣分泌液、カウパー腺液――そして、血も。それだけではない。もう想像さえつかないような複雑な匂い、薬のような、奇妙な――

 初音の本能が警報を鳴らした。ここでいったい何がおこなわれたのか。そして、今、ナオミはどんな目に遭っているのか。この匂いの生々しさからいって、そんなに時間は経過していない。ということは、ナオミの監禁場所がこの近くである可能性はさらに高まった。

「明! 明ぁ!」

 初音は空にフクロウの姿を探した。初音も合成能力者だが、外部に向けてのテレパシーの力はほとんどない。というより、いつも側に明がいたからそんな必要はなかったのだ。判断に困れば、すぐに明が的確に導いてくれる。小鹿が指揮官になってからは、アドバイスをしてくれる人がさらに増えた。初音は彼らの言う通りにしていればよかった。

 だが、この瞬間、初音は自分で判断しなければならなかった。進むか、引き返すか。

「自分で、考えなきゃ」

 初音はつぶやいた。いつも明から説教されていることだ。「何でも人任せにするな、自分でも考えろ」

 確かにその通りだ。

 B.A.B.E.L.に入るまでの初音は、食べることと、寝ることと、明と遊ぶことができれば、それでいいと思ってきた。だが、B.A.B.E.L.に入って、ザ・チルドレンや、皆本や、小鹿たちと出会うことで世界がずいぶん広がった。

 ナオミもその一人だ。ナオミは初音にも優しかった。それに、谷崎主任をワイルドに叩きのめすナオミには自分に近い野性を感じた。親近感と言っていい。

 そのナオミが、この近くで、苦しめられている。

 初音は決断していた。

 匂いが導く、さらなる闇へと走り出した。



『初音! どこだ、初音ぇ!』

 小鹿への報告を終え、フクロウに戻った明は、倉庫群を見下ろしながら初音に呼びかけた。

 いつもならすぐに返事があり、お約束の「明ぁ、ゴハン!」あたりの要求がありそうなものだが、どういうわけか反応がない。

『初音ちゃん、いないんですか?』

 ESP変換無線機――フクロウの身体にとりつけてある――のスピーカーから小鹿の心配そうな声が聞こえてくる。明の肉体は小鹿のすぐ側にあるのだが、動物に憑依している時の明と連絡をとるにはこうする必要があるのだ。

『ええ、呼びかけても返事がありません。もしかしたら、腹をすかせてどっかにいっちまったのかも』

 フクロウの脚には初音の好物のちくわが結びつけられている。もちろん、小鹿のはからいである。

『でも、最近の初音ちゃんは任務中の買い食いはイケナイってわかっているはずです。もう少し探してみて』

『はい……』

 明も少しずつ不安になってくる。確かに最近の初音は特務エスパーとしての自覚が出てきた。任務もかなり高確率で成功させるようになった。まあ、たまに空腹から暴走したり失敗することもあるが、最初の頃に比べると格段の進歩だ。それだけに明は多少の危うさを感じてもいた。初音は嗅覚だけではなく、戦闘力も高い。たいていの敵なら初音だけで充分制圧可能だ。だが、それが過信につながったりはしないだろうか。

『もしかしたら、初音のヤツ……』

 明を待たずに敵のアジトに突入したのかもしれない。

『小鹿さん、皆本さんに――ザ・チルドレンに連絡をお願いします!』

 フクロウの翼を羽ばたかせて、明は闇夜の空を旋回した。

                              つづく

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