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真由美の一日(11) 

カテゴリ:偉大なる助平

「あ、あれ? 親父?」
 リビングに降りてきた好男の顔色が変わった。
 背後にはふわふわ髪がさらに乱れた美琴が小さくなっている。
「おお、好男か、帰ってたのか。そちらのお嬢さんはガールフレンドか?」
 ソファにどっかり身体を沈めた極太がわざとらしく言う。その手には缶ビール。
「こ……こんにちは……はじめまして……」
 消え入りそうな声で美琴があいさつする。内股になっているのは、股間の違和感が取れないためか。
「かわいい子じゃねえか、好男、でかした!」
 親指を立ててウィンクする極太。
 むろん、好男にはそれに対して切り返す余裕などない。
「ま、真由美まで!? な、なんで」
 真由美は好男と美琴を見るに忍びなくて、ソファで小さくなっていた。
「ああ、真由美ちゃんとは家の前で会ってな。久しぶりだからお茶でもって誘ったんだ」
 実際、その通りなのだが――
「いやあ、話が盛り上がってな。今日は久しぶりに泊まっていけば、って言ってたんだ」
 それもその通りだ。ただし、中出しされながらだが。
 真由美は否定も肯定もできず、ただ、うつむいていた。
「え……あ……そうなのか……?」
 好男は驚きつつも、どことなく嬉しそうに真由美を見た。
「そっか。じゃあ、おれ、美琴のこと、送ってくから――あとでな、真由美」
 美琴は真由美に不審そうな、少し責めるような視線を向けた――それも一瞬で溶けて――
「真由美ちゃん、またね……おじさん、お邪魔しました」
 丁寧に頭を下げて暇を告げる。好男に続いて玄関へと移動する。
「へっ、ありゃ、なんか気づいたな」
 好男と美琴が家を出ていく気配がして――極太が楽しそうに言う。
「あのガキ、おとなしそうな顔して、けっこうなタマだぜ? 真由美ちゃんが最大のライバルだとちゃんとわかってる」
「美琴はそんな子じゃ……」
「真由美ちゃんだって、そんな子にゃあ見えないぜ?」
 真由美を抱き寄せる。抵抗できない。下半身はまだ痺れている。極太の特濃注射のせいだ。
「好男くんが帰ってきたら――」
「かまわねえ、未来の母親が父親と仲良くしてるだけさ」
 抱きしめて、キスしてくる。
「そ、その話は――」
「真由美ちゃん、イキながら何回もケッコンするって言ってたぜ? おれは約束は守る男なんでな。ま、当面は週一くらいでウチに泊まりにくるだけでいい。それくらいなら大河原もOK出すだろ」
 極太が言う「大河原」とは真由美の父親のことだ。極太と真由美の父は幼なじみなのだ。
 真由美の父は、真由美が色事家に入り浸ったとしても何も言わないだろう。まさか自分の娘が幼なじみに種付けされているとは思うまい。
「そのうち、真由美ちゃんの腹が大きくなってきたら、ちゃんと話すさ」
 本気で極太は言っている。実際にそうするだろう、このひとなら。そして認めさせてしまう、きっと。
「やっぱり、帰ります!」
 真由美は極太から離れた。走って玄関に向かう。極太は追ってはこなかった。
 靴を履いて外に出たところで、帰ってきた好男とハチあわせた。
 好男の息は弾んでいる。走って戻ってきたらしい。
「な、なんだよ、帰っちまうのか?」
 驚いたように好男が言う。
「せっかくなんだから、泊まってけよ。真由美にいろいろ話したいことがあるんだ――最近、おまえ元気ないみたいだし、おれでよかったら――」
 好男の表情は本気で真由美のことを心配しているようだった。
 そうなのだ。スケベでバカで優柔不断だけど、コイツは友達が沈んでいたら励まさずにはいられないヤツなので。だからわたしは――
「ごめんね」
 好男の横をすりぬけて真由美は走った。
「お、おい、待てよ」
 好男が追いかけてきたが、あっさり振り切った。追いつけないと悟った好男がしょんぼりと引き返していくのを確認してから真由美は速度を緩めた。


 帰宅――

 もうすぐ家に着く。
 ようやく今日という日が終わる。
 家に戻ったら、もう何もしたくない。泥のように眠りたい。
 でも、お腹の中にたまった精液をなんとかしないといけない。お風呂に入って――掻き出さないと――
 いったい何人ぶんの。
 ――いや、何十人ぶんの。
 柔道部員たち、OB――
 長崎、小出――
 今日は手を出してこなかったが、教師数人とも関係を持っている――
 また、学校の外にも真由美の身体を知っている男たちがいる――映画の撮影で乱交させられたり――
 そして、極太。彼はまずい。身体をとろかされる。誘われたら拒めない。
 ほんとうに週一で泊まりに行くようになるかもしれない。
 それが真由美はおそろしい。
 自分はいったいどうしてしまったのか。そして、どうなっていくのか。

真由美の一日(10) 

カテゴリ:偉大なる助平

『好男くんのお口でしてあげる』
 隣では美琴が率先して好男のペニスにご奉仕しはじめた。
『うっ……あ……美琴……すごい……』
「じゃ、真由美ちゃんもしゃぶって」
 極太の凶悪なペニスをつきつけられる。
 それを口に受け入れる真由美。
(おじさんの……おっきい……)
 太い血管が浮き出た剛直。亀頭も大きくエラを張っている。
『好男くんのかわいい』
「そりゃあ、おれのとは違うさ。だろ、真由美ちゃん?」
 勝ち誇る極太。
「む……んん……ぅ」
 くちいっぱいにペニスをほおばる真由美はそれに対して答えることはできない。
「さあ、キンタマも舐めてくれよ?」
 大ぶりな陰嚢だ。絶倫の中年男の睾丸がおさまっている。
 そこも舐める真由美。好男や沙世を産ませた精子が今も大量に作られている場所だ。
 隣の雰囲気が慌ただしくなる。
『あっ、み、美琴、おれ、もう……』
『いいよ、好男くん……きて……』
 身体と身体を重ねるあわただしい物音がはじまる。

真由美の一日(9) 

カテゴリ:偉大なる助平


「冗談だよ。真由美ちゃんを置いていきはしねえよ」
 何を勘違いしたか、極太が真由美を抱き寄せる。そんなつもりではない真由美は抵抗しかけたが、そうすることで隣に物音が伝わるのを怖れた。
 極太の背後から抱きすくめられる。腕の中にすっぽりとおさまる形だ。たばこ臭い息が耳に当たる。
「やだ……」
 胸元を極太の掌が這い回る。
「さわるだけだ、いいだろ?」
 息子の幼なじみの女の子を抱きしめ、乳房をセーラー服の上から揉みしだきながら、極太は言う。
「真由美ちゃん、おっぱい大きくなったんじゃね?」
 含み笑いをする。悪いおじさんだ。
 耳たぶを舐められる。ぞくっとする。
 でも、抵抗できない。すごく悪いおじさんだ。
 すぐ隣に好男と美琴がいる。幼なじみと親友が。だから騒げない。
『好男くん、すき』
 美琴が好男に抱きついた気配がする。
『お……おれも……』
 おずおずと応える好男。キスが始まった。粘膜と粘膜が触れる音。
「真由美ちゃん、ベロ出して」
 極太が真由美の舌を出させて、それに舌を絡めてくる。
 掌はセーラー服の中に潜り込み、肌に直接触れている。ブラごしに十四歳の乳房をぎゅっと握る。
「うよ、プッリプリ!――さすが中学生、ピチピチだねい」
 おわん型の真由美のバストを手指でほぐしながら、真由美の唇を嘗めまわす。
「おじさん……だめ……だよ」
「なにが? ほら、乳首ピンピン」
「くぅっ」
 ブラをずらされ、露出した乳房の突端を指で弾かれる。

真由美の一日(8) 

カテゴリ:偉大なる助平

 階段をそろりそろり昇り、好男の部屋の隣――沙世の部屋だ――に忍び込む。もちろん沙世は不在。今は隣町まで塾に通っているそうだ。色事家では唯一まともに生きているといえそうだ。
 沙世の部屋は女の子らしくパステル調の家具で統一されている。そして、ベッドには大量のぬいぐるみが――ただしマッチョな男の人形ばかりが置いてある。壁にはボディビルダーらしき男性がぶっとい筋肉を見せつけているポスターが。まともかと思ったが、沙世もちょっと残念な子らしい。
 極太は沙世のベッドにあがり、好男の部屋に面しているらしい壁に耳を当てる。
 ニヤニヤしている。それはけっして息子の成長を喜んでいる父親の表情ではない。
「真由美ちゃんも来な。いま、いいところみたいだぜ」
「え、でも」
「向こうは真っ最中だから気づきゃしねーよ」
 おいでおいでする。真由美としては、ここで騒いで、好男たちにばれるのが一番困る。
 極太はこういう「おもしろいこと」を見逃さない。真由美が一人ここを離れたら、極太がどう事態を悪化させるかわからない。
 しぶしぶ真由美は極太の側に移動した。ベッドはなかなかしっかりした造りで、ギシリとも音をたてない。
「壁に耳をくっつけてみなよ」
 言われた通りにすると、おどろくほど鮮明に隣の部屋の様子が伝わってきた。
『ほ、ほんとに、いいの……?』
 好男の声。わずかに震えている。表情さえ思い浮かぶ。
『うん……いい……よ』
 美琴の声。元々か細い声だが、好男のそれよりは、はるかにしっかりしている。
 覚悟をしてきたのだ、美琴は。
 衣擦れの音。美琴が自分で脱いでいるのか、好男が脱がせているのか。
 たぶん、美琴は自分で脱いでいるのではないか。そんな気がする。
『き、きれいだ……美琴ちゃん』
 美琴の裸は美しい。体育の着替えなどで真由美はそれをよく知っている。絹のようになめらかな白い肌。胸は意外に大きく、乳首は淡いピンク。腰がくびれた女らしい体つきに、長い脚。同性の真由美からしても、動悸が速まるのを抑えられない美しさだ。
『好男くんも……脱いで』
『お、あ、ああ』
 あわただしく応じる好男。真由美のすぐ後ろでは極太が吹き出しそうな表情を浮かべている。
「あいつ、童貞でもあるまいに、なーにキョドってるんだ?」
 どうなんだろう、と真由美は思う。
 スカートめくりや胸にタッチしたり、そんなイタズラは子供の頃から続けてきた好男だが、肝心なところでは思い切りが悪い気がする。
 なんとなく、好男はまだ女の子と、そういうことはしていないような気がする。真由美の願望かもしれない。
『み、美琴ちゃん……』
『キスして……』
 積極的な美琴。覚悟を決めた美琴は強い。
『わたしたち、つきあってるんだよね……? だから、いいんだよ』
 美琴が諭すように、導くように囁く。
「ああ、じれってえな。女の子から誘ってくれてるってのに」
 極太がいらいらした様子で舌打ちする。
「なんだったら、おれが出て行って……」
「っ! どうする気なんですか!?」
 思わず声を漏らす真由美。極太は照れたように頭をかく。
「やー、おれも参加しようかと」
 このヒトならやりかねない。真由美は極太の腕に手をかけた。この部屋から出て行かせないためだ。

真由美の一日(7) 

カテゴリ:偉大なる助平

 涙のせいで行く手が見えず、だから、その男の存在に気づくのが遅れた。わかっていれば、やり過ごせたのに。もともとおおざっぱで、そんなに注意深いひとではないから。
「お、真由美ちゃんじゃないか」
 おおように声をかけてくる。いつでも楽しげな表情、態度。人生を謳歌しきっている、子供のような大人、あるいは、大人のような子供。
 色事極太。好男の父である。
「なんだ、ウチの前まで来て素通りたあ水くさいな」
 派手なアロハに短パン、浅黒い肌に金のアクセ。完全な遊び人スタイルだが、エリート商社マンで、世界各国を飛び回り、数カ国語を操るとともに、大型免許やら飛行機のライセンスやら船舶免許やら、数十もの資格・免許を持っているという、マルチな人間だ。数多くの異名を持つが、その中でも本人が一番自慢としているのが「素人女性千人斬り」という称号である。
 真由美とは、真由美がよちよち歩きの頃からのつきあいだ。
「好男は家にいんだろ? 寄ってけ、寄ってけ」
 真由美が事情を説明するいとまもなく、肩をつかんで色事家へと押し込んでいく。
 いくら真由美が柔道の達人でも、この男の強引さにはかなわない。
 色事家に、久しぶりの訪問を果たすことになってしまった。
「お、ほかにもお客さんが? 女の子か」
 玄関の靴の並びを見て、極太が驚いたように声をあげる。
「お、おじさん、声、大きい」
「なんで? あ、なるほど、好男のやつ、例のガールフレンドを連れ込んだのか」
 察しがいい。もとより頭の回転は速いのだ。
「知ってるんですか?」
「そりゃあ、息子のことだ。だいたいはわかるさ。そうか、アイツがなあ……」
 遠い目をする。この男のことだから、息子が女の子を家に連れ込んだことについて批判的であるはずがない。小学生のときにすでに複数の愛人を持っていたというような男だ。むしろ喜んでいるに違いない。
 だいたいにして、好男はなんで極太が帰ってくる時間帯に美琴を連れ込んだのか。詰めが甘すぎる。
「おじさん、仕事は?」
 ついつい小声になる真由美。
「いやーまーなんつーか、リストラ?」
「うそっ!」
「不景気だからなあ。もっとも、おれの仕事知ってるだろ? もともと仕事があるときは忙しいし、そうでもない刻はひたすら暇なんだよ」
 そういえば、何年か前に極太は商社をやめていた。仕事(と女遊び)にかまけすぎて奥さんに逃げられたのがきっかけだったようだが、今はフリーのコンサルタントのようなことをしているらしい。
「大丈夫なんですか……?」
「ああ。いざとなれば好男を働かせるから大丈夫。あいつ彼女ができて調子のってるから、半年くらいマグロ漁船に乗せてみるのもおもしろい」
「中学生の息子になにさせる気ですか……」
「あと、沙世もいるしな」
 好男の妹の沙世はまだ小学生だ。
「あいつはその気になれば俺より稼げるぞ。Tバックはかせて写真集とかDVDとかよ」
「冗談でもそんなこと言わないでください」
 この時節柄、恐ろしすぎる。たしかに沙世なら売れそうだけれども。
「あたりまえだ。かわいい沙世の裸をロリコンのクズどものズリネタにさせてたまるかよ。あれはおれだけのズリネタだ」
「つかっとるんかい!」
 思わず真由美は突っ込んだ。
「……その突っ込み、さすがだな」
 嬉しげに唇をゆがめる極太。そんな表情は好男にそっくりで、ついドキリとしてしまう。
「お?」
 極太が耳に手をあてた。
「ほら、真由美ちゃん、そろそろ始まったようだぜ」
「な、なにがですか」
「わかってるくせに……好男の部屋から、かわいい声が聞こえてきたじゃないか」
 ――まさか。
 ――せめて、お父さんが帰ってきていることくらい、気づけばいいのに。
「さ、真由美ちゃん、行こうぜ」
 極太が立ち上がる。
「ど、どこへ?」
「決まってるだろ、好男たちを覗きに行くんだよ」
 極太は悪戯小僧の表情で言った。

真由美の一日(6) 

カテゴリ:偉大なる助平

帰宅――前

「今日ね、好男くんちに遊びに行くんだ」
 下足室で美琴が真由美にささやいた。
「だからね、その……今日は真由美ちゃん家に行ってるってことにして?」
 心にズンと来る一言だったが、真由美は笑顔を作った。
「合点承知、よ。で、今日こそはいよいよ……ってわけ?」
「そっ、そんなっ! ちがっ、ちがうよぉぉ」
「だって家の人に嘘ついてまで……ってことは」
「だから、うち、そういうの厳しいから……もお真由美ちゃんの意地悪」
 美琴の家は厳しく、男女交際などもってのほか、門限も六時と厳しい。だが、真由美のことは美琴の両親にも気に入られており、真由美と一緒ということであればその門限がすこしゆるくなるのだ。
「がんばって、美琴」
「うん……真由美ちゃんもね」
「へ? あたし?」
「うん。なんだか真由美ちゃん無理してるみたいなとこあるから……困ってることがあったら何でも言ってね」
 まさか、さっきまで映研の部室で男子生徒二人に犯されていた、などと言えるわけがない。
 真由美は力こぶを作ってみせる。
「そんなー、ぜんぜんヘーキだよっ! ほらっ、元気、本気、岩鬼! ゃぁ~まだ!」
「真由美ちゃん、そのネタ、古すぎて誰もわかんないと思う」
 ――美琴には通じたようで、よかった。
 と、その美琴が言いにくそうに切り出す。
「ね、真由美ちゃん……よかったらだけど、好男くんちに一緒に行ってくれない?」
「え、どして」
「やっぱり緊張するっていうか……好男くんが出てくるまででいいから」
 美琴の顔色は心なしか青い。もともとあがり症で臆病な性格だ。最近はずいぶん明るくなったが(それも好男が何か関係しているようだが)、それでも、彼氏の家に初めて招かれるというのはプレッシャーらしい。
「ま、いいけど。どうせ、帰り道だし」
 本当のところは色事家を訪ねるのは気が引けるが――それでも、こういうきっかけでもないと縁遠くなってしまうばかりだ。
 それを思うと、すこし心が痛い。
 彼女にはなれなかったけど、幼稚園からの腐れ縁――幼なじみでは、いたい。
 色事家には程なく着いた。
 緊張してなかなか呼び鈴を押せない美琴に代わって真由美が呼び出してやる。
 待ちかねていたのだろう、好男が迎えに出て、真由美を見て少し固まる。
「よ、よお、真由美も一緒だったのか」
「ごめんね、お邪魔虫がついてきて。だいじょうぶ、あたしはすぐに帰るから」
 好男の反応は当然だと思いつつ、やっぱり憎まれ口をきいてしまう。
 美琴を振り返り、その手を握ってやる。
「変なことされそうになったら、大声を出すのよ……なんちゃって」
「真由美ちゃん……帰っちゃうの?」
「そりゃあ、マジでお邪魔でしょうが」
 真由美としても、好男と美琴がいちゃつく現場に居合わせたくない。泣きたくなる。
「――真由美、帰るなよ。ゆっくりしてけよ、今までみたいに」
 ああ、バカのくせに、なんでそんな真面目な顔すんのよ――好男のくせに!
 好男が本気で真由美を引き留めたがってるのがわかる。それは嬉しい。でも、帰らずに、図々しく家に上がったら、せっかくの美琴と好男の時間を壊してしまう。
「帰るわよ、バーカ!」
 好男にあっかんべ、美琴には手を振って、色事家の前から去る。しばらく真由美を見送っていたようだが、じきに美琴を連れて好男が家に入っていくのが真由美にはわかった。門扉の音、玄関の戸の音で、わかる――
 真由美の頬にあたたかい雫が、こぼれる――

真由美の一日(5) 

カテゴリ:偉大なる助平

放課後
 女子柔道部の練習に真由美は出た。サボるわけにはいかない。強化選手の指定を受けているということは、さまざまな便宜をはかってもらっているということだ。
 そもそも、女子柔道部自体、真由美のためにだけ作られたようなものだ。
 だから、女子部には真由美と乱取りで相手になる部員がいない。
 仕方なく、男子部員の乱取りに加わる。
 組んだ男子部員はほぼ確実に真由美の胸や尻に触れてくる。ほかの部員もいやらしい視線を送ってくる。
「今朝、よかったぜ……」
 耳元でささやいてくる者。
「明日はケツからやってやる」
 実際に尻穴のあたりをなでながら宣言する者。
「今度はメイド服とか来てこいよ」
 コスチュームのリクエストをしてくる者。
 真由美は無言で全員投げ飛ばす。
 これも取り決めのひとつだ。「朝練」以外ではいやらしいことはさせない。
 だが、このストレスによって、男子部員はさらに「朝練」での責めをエスカレートさせていくのだ。
 それもわかってはいるのだが、女子部員や顧問の目もあるので、真由美としてはそう振る舞わざるをえない。

 部活が終わると、真由美は制服に着替えて旧校舎にある映画研究会の部室に向かう。
 今の真由美は柔道部と映画研究会の掛け持ちをしている。時間的にはキツいが、そうせざるを得ない理由がある。
 映研の部室は美少女アニメのポスターがべたべたと貼られ、なかにはかなりいかがわしいものもある。もともとあるのかないのかもわからないほどの弱小部活だったが、ここのところ、自主制作映画を作るようになっており、一部には知られるようになっていた。
 特に「少女解体新書シリーズ」という短編映画は、その映像の美しさとシュールさで「中学生が作った映画としては異常なできばえ」という評価を受け、学生映画コンクールでもそれなりの評価を受けるようになっていた。もっとも、それは主演(というかキャストはだいたい一人だけ)の真由美の美しさによるところが大きい。映画を見た芸能プロダクションの人間がスカウトに来たことも一度や二度ではない。むろん、芸能界にまったく興味のない真由美は話さえ聞かなかったが。

真由美の一日(4) 

カテゴリ:偉大なる助平

 トイレの個室で、真由美はスカートをたくしあげて、尻を突き出した。
 その尻に佐々木は顔をすり寄せ、匂いをかいだ。

真由美の一日(3) 

カテゴリ:偉大なる助平

昼休み

「な、大河原、いいだろ?」
「佐々木先輩、約束が違いますよ」
 昼休み、校舎裏に呼び出された真由美は、目の前の佐々木に非難の視線を向ける。
 佐々木は柔道部の前部長だ。三年生なので部活は引退している。
「あのことは、朝練で返すことになってるんですから――」
「わかってるけど、朝練なんてもう行けねえよ。今月、おれ本命受けるし。毎日勉強漬けなんだぜ」
 佐々木はすでに推薦入試に一校落ちていた。推薦にもかかわらず、面接で大失敗したのだという。
 それからは必死で受験勉強にいそしんでいるということだったのだが――
 少し見ないだけでずいぶんとやつれてしまっていた。
「やらせろよ、大河原」
 手を伸ばしてくる。
 真由美は体をかわす。佐々木も黒帯だが、完全になまっている。勢いあまってたたらを踏み、振り返って
真由美をにらむ。
「――バラすぞ、みんなに」
 低くくぐもった声だ。目つきも尋常ではない。
「先輩こそ、受験に問題出るんじゃないですか? 後輩脅してエッチしてたとかわかったら」
 佐々木の表情がくしゃっとつぶれる。
「大河原のこと、忘れられないんだよっ! おまえの身体のことばかり考えて、勉強が手につかないんだ!」
「そんなこと言われても――」
 真由美は困惑する。
「あのときっ、おまえが、おれたちを誘惑しなけりゃっ!」
 佐々木が人差し指をつけつける。
「おれは平凡な人間だ。どうせこのまま高校や大学に行って就職するとしても、たいした人間にはなれないし普通の女としかつきあえない。庶民ってやつだ。アイドルとか女子アナとかモデルとか、ああいう特別な女は金持ちとかプロ野球選手とか、そういうのとくっつくんだ」
 でもな、と佐々木は続ける。
「大河原、おまえみたいな可愛い女とヤレたんだ。童貞だったおれが、天才柔道少女、オリンピックに出るかもしれねえ有名人とヤったんだ。おまえを何回もイカせてやった。中にも出しまくりだ。はは、すげー、おれ。おれ、すげー!」
 けたたましく嗤う佐々木。その姿は奇怪であると同時に痛ましくもあるように真由美には思えた。
 自信を失っているのだ。佐々木は。初めての受験に失敗して、自らに絶望している。そこから抜け出るためにあがいているのだ。真由美を抱くことによって自信を取り戻せると思っている。というか、それ以外すがれるものがないのだろう。
 ――あたしはこの人を軽蔑することはできない。
 真由美は思った。自分のなかにどんなに汚いものがとどろっているか、ここ数ヶ月で思い知った。好男と美琴のことで、どれだけ卑劣に振る舞ったか。
「……一回だけですよ」
 ため息とともに、真由美は言った。
「大河原!?」
「昼休み、時間短いから……それと制服を汚さないでくださいね」

  つづく

真由美の一日(2) 

カテゴリ:偉大なる助平

 授業

 教室で、真由美は机に突っ伏していた。口の中がねちゃねちゃする。中出しされた精液は子宮や膣に残ったままだ。おしりも、いやだと言っても中出しされてしまった。
 もちろん、シャワーでできるだけ洗い流したし、トイレにも行った。それでも――残存感を完全には消すことはできない。
 白いねばねばが全身にこびりついている気がした。
「どうしたんだ、真由美?」
 声が降ってきた。あわてて真由美は顔を上げる。
 色事好男が真由美の机のそばに立っている。鳥羽美琴もいる。美琴は真由美の親友だ。
 二人とも心配そうな表情を浮かべている。なんでだろう、つきあっていると表情まで似るのだろうか。
 数週間前、美琴が好男に告白し好男はそれを受け入れた。
 変な話で、真由美は告白前には美琴から、告白後には好男から相談を受けた。
 美琴はもともと好男ではなく、別の男子のことが好きだったのだが、彼が転校してしまって――顔はおぼろに思い出せなくもないが名前はもう出てこない――それくらいの期間しかクラスにいなかったのだろう――好男のことを好きになったらしい。
「いいかな、真由美ちゃん、好男くんに――告白しても」
「なんでっ、あたしに断るかなっ!? あっ、あんなスケベバカっ、美琴にはもったいないよっ! いやっ、ちがっ! 逆っ!」
 大慌てで取り繕いながら、真由美は美琴の応援をすることを誓い、実際にお膳立てまでしてやった。
 そして、告白後、めずらしく思い詰めた様子の好男からは――
「あのさ……鳥羽とつきあうかどうかだけどさ……真由美はどう思う?」
「だっ、だから! あたしに聞かないでよっ! ってか、美琴みたいな可愛い子からの告白断ったら普通死刑よ、死刑!」
「そりゃおれだって鳥羽のこと、なんていうか、なんだか守ってやらないといけない気はするんだ、責任があるっていうか――なぜかわからないけど。でもさ……」
「でも?」
「おれはさ……その……ほんとはおまえのこと……」
 1秒後、真由美は神速の払い腰で好男を投げ飛ばしていた。その続きを聞くわけにはいかなかったから。
 それがだめ押しとなり、好男と美琴はつきあい始めた。
 真由美にとっては、依然として美琴は一番仲がいい友達だし、好男が幼なじみでケンカ友達であることは変わらない。
「朝練、キツかったの?」
 美琴が真由美に身を寄せてくる。同性ながら、白くて柔らかくていいにおいのする肌だ。だが、そのにおいの中に、好男のにおいに似たものを感じて、真由美は身体を堅くする。
「――だいじょぶよ。部活の練習なんて、強化合宿に比べたらぜんぜん楽。ただ、ちょっと早起きがこたえてねー」
 真由美は何でもないような表情を作る。
「無理すんなよ? 試合の前に身体こわしたら元も子もないし――」
 好男も本気で心配しているような表情で言う。なんで、そんなに優しくいうのかな、と真由美は思う。前とか、もっと乱暴だったじゃん。あたしのこと「オトコ女」とか言ってさ――けっこう傷ついてたんだぞ――でも、そんなことは言えない。
 そんなこと言う資格は自分にはない。
    つづく

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